ヒューマノイドロボット「NAO」が自閉症の療育を支援 日本サード・パーティの「Ask NAO」
日本サード・パーティ株式会社は、ソフトバンクロボティクス株式会社のヒューマノイドロボット「NAO」に搭載した自閉症療育プログラム「Ask NAO」の取り扱いを開始することを、8月21日に発表した。
「Ask NAO」(AskはAutism Solutions for Kidsの略)は、自閉症療育、特別支援教育向けのアプリケーションをヒューマノイドロボット「NAO」に搭載したソリューションだ。療育プログラムのアプリケーションが搭載されたNAOと、NAOを操作するタブレット「Ask NAO Tablet」によって構成されており、日本語版のアプリ開発は、ロボットの導入支援やソリューション提供を行う株式会社エアネストが手掛けている。
開発の背景
認知・言語・社会性・対人関係などの主機能に影響を及ぼす「自閉症」は、先天的な発達障害の一つだ。行動療法などのエビデンスに基づいた早期療育を行うことによって行動改善が可能といえるものの、実際には、エビデンスに基づいた療育を行う施設やセラピストが不足しているなどの問題により、自閉症児が療育を受けられる環境が十分に備わっていないと言われている。
そのような現状で、ヒューマノイドロボットは会話が可能なうえ、毎回同じ動作で一定の刺激を子どもに与えることができるため、自閉症療育において、社会性を身に着ける助けとなり、活用可能性が高いと考えられている。
また、NAOにおいては、手足を自由に動かすことができ、模倣などの非言語コミュニケーションの学習にも効果が高いと期待されている。
「Ask NAO」と「Ask NAO Tablet」について
自閉症療育アプリ「Ask NAO」と、その操作ツール「Ask NAO Tablet」は、実験に基づき有効性が実証されている療育方法をアプリとして実装し、またNAOに実装したソリューションだ。
▼ Ask NAOの主な機能
教育用ゲーム | NAOがクイズを出し、正解するとNAOが褒めてくれる |
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身体活動 | NAOの関節自由度を活かした、ヨガなどの動作を使ったアクティビティ |
読み聞かせ | 読み聞かせを行い、子どもの注意力を刺激する |
ご褒美 | 子どもが学んだあとに、NAOがダンスなどを行い、子どもを楽しませるアプリ |
http://airnest.co.jp/asknao-tablet/
■【動画】ASK NAO: Be part of the journey(英語)
また、ソフトバンクロボティクスのビジュアルプログラミングツール「Choregraphe (コレグラフ)」を活用し、動作を追加するなどのカスタマイズが可能だ。
詳細は同社公式サイト内、「ヒューマノイドロボットによる自閉症療育の支援」ページで確認できる。
同社は、今後、療育施設を中心にAsk NAOの導入を進め、ロボットを使った、エビデンスに基づいた医療介護の提供や、従事者の負担削減を実現する一助となることを目指すと述べている。
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