5Gでロボットアーム同士を遠隔連携 ソフトバンクが大成建設と
大成建設株式会社とソフトバンク株式会社は、大成建設が今年6月に開発した力触覚伝達型遠隔操作システムにソフトバンクの第5世代移動通信システムを用いた検証実験を「5G×IoT Studio」お台場ラボにて実施、遠隔操作システムと5Gとの連携を確認したことを9月4日発表した。
人手不足や長時間労働などの社会的な課題を背景に、工場など生産施設の自動化や省人化に伴う産業用ロボットの需要が拡大。高速・大容量・低遅延でのデータ通信が可能な5Gの普及を見据え、遠隔地から高画質な映像を見ながらリアルタイムでロボットの操作を可能とするさまざまな技術の開発が進められている。
今回の実験において、両社は、同システムと5Gの連携により、通信の遅延や映像の乱れなく、遠隔操作による物体把持などの力触覚を伴う作業や動作の記録・再生などを正確に伝達でき、有線接続の通信性能と比較しても遜色ないことが確認できたと述べている。
具体的な検証実験内容
同実験では、物体把持などの「力加減」を正確に伝える力触覚伝達提示デバイスを備えた人協働ロボット(操作室側)とロボットアーム(遠隔室側)を5Gで接続し、以下の項目について実施。
(1)操作室から遠隔室へのロボット制御信号および双方向での力触覚情報のリアルタイム通信、遠隔室に設置したカメラ映像(ロボット全体の俯瞰:2台、ロボットハンドの作業状況確認:2台)の伝達
(2)遠隔操作による力触覚を伴う複数作業(30㎜角の木製サイコロの積み上げ、反発力を伴う風船の把持、容器把持による内容物の注入など)の実施
(3)操作室で人協働ロボットを手動で直接動かしながら、遠隔室でのロボットアームの動作を記録する遠隔ダイレクトティーチングによる作業・動作の記録、再生
これまでも両社は共同で、建設機械の自律作業に関する技術開発の基礎段階として、建設機械と5Gの双方向通信を活用した検証実験を実施し、その連携を検証している。
建設現場での省人化と遠隔操作による作業効率化を目指して5Gを活用した共同実験を実施
http://www.taisei.co.jp/about_us/release/2018/1439262513152.html
今後、両社は、商用化が予定されている5Gの用途拡大と、遠隔操作システムの具体的な実装に向け、生産施設などにおける省力化、作業効率化を図る具体的な活用法を検討していくとしている。
また、遠隔操作システムの開発状況を踏まえ、社内外関係者のさまざまな知見の集約・連携を図りながら、各種施設や建設現場などにおけるさまざまな用途での遠隔操作システムの適用に向け、関連技術開発と社会実装への取り組みを進めていくとも述べている。
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