コンテナ型仮想化でロボット開発をサポート、インテックが「RDBOX」評価版の無償提供を開始

TISインテックグループの株式会社インテックは、ロボット開発者向け開発・管理環境ICTユーティリティ「RDBOX」(A Robotics Developers BOX)を9月14日より評価版アカウントで無償提供することを発表した。ロボットやドローン、等の分野で、コンテナ型仮想化技術とネットワーク技術を活用して、ネットワークインフラやコンテナ管理実行環境等、簡単でスピーディな開発環境を構築できる、としている。
コンテナ型仮想化技術はOSやアプリケーションをひとつのコンテナ(領域)のように扱う仮想化技術で「Docker」などが知られている。シンプルで効率の良い実装が可能で、セットアップなども簡略化できる。

なお、「RDBOX」評価版の申し込みは電子メールで受け付ける。

電子メールアドレス: インテック 先端技術研究所宛 info-rdbox@intec.co.jp


「RDBOX」の特徴

「RDBOX」はロボット開発者がICT環境を使い易くするためのロボット側のエッジ機能とクラウド側の管理運用機能で構成され、主に下記の特徴を持つ。

開発や運用の一連の流れをスムーズに行えるCI (Continuous Integration)
・Kubernetes(クーベネティス)を用いることにより、システムを完全には停止させずにソフトウェアを更新する「ローリングアップデート」や、具合発生等の理由で前のバージョンや状態に戻す「ロールバック」など、高度な自動配信・自動運用機能が可能
・コンテナベース開発スタイルの導入によって、簡単に「GitHub」「Jenkins」「Docker Hub」などのCIツールの適用が可能

CI ツールを使った開発・運用

ROSロボット専用のプライベートネットワークを簡単に構築
・ROSロボットとインターネット間に本製品を設置することによりROSロボットとクラウド管理機能をつなぐロボット専用のプライベートネットワークの構築が可能
・ROSロボットと本製品間をWi-Fiで接続
・複数ある本製品同士ではメッシュWi-Fiのネットワークを自動構築するため、Wi-Fiの提供エリア拡大が簡単

ロボット開発の効率化を促進
・ロボットアプリケーションだけではなく、OSやミドルウエアを含んだコンテナで配信・管理
・これまでアプリケーションソフトウエアの更新ごとに行っていたOSやミドルウエアの交換作業をコンテナイメージの実装と配備という手順に効率化
・Kubernetesクラスタのクラウド管理画面から各ロボットの全対象物を一元管理
・クラスタ内で管理されるものはCPUアーキテクチャ(ARM, x86等)が混在する環境に対応可能

環境変化に柔軟に対応
・必要な処理能力にあわせてKubernetesノード数を増やすことが可能
・ロボット台数や処理量、応答速度など、求められる性能に柔軟に対応可能な開発・運用基盤

安全なロボット実行環境を実現
・ロボットの実行環境とクラウドの連携をVPNで構築することにより、アプリケーションを安全なネットワーク環境での稼動が可能
・ロボットの制御ネットワークを外部から隔離し、VPNによる接続とクラウド管理画面に限定することでネットワーク攻撃から保護
・既存のネットワークとは分離したROSロボット専用のネットワークを構築

ロボット開発におけるコンテナ活用イメージ



■【90秒で分かる!!】RDBOXコンセプト

■【5分で分かる!!】RDBOXコア技術(長編)

■RDBOX チュートリアル1紹介動画

開発の背景

クラウドロボティクスの分野においては、ロボットやスマートデバイスがクラウドと連携することで、クラウドの潤沢な計算・通信リソースを活用してロボットから取得した情報を処理し、その結果をロボットの動作にフィードバックさせることができるようになった。これにより、従来のロボットが不得手であった強力な情報処理をクラウドがサポートすることで、ロボットをより知的に判断させ、的確に行動させることも可能になった。
しかしその一方で、ネットワーク、セキュリティ、アプリケーションのための環境構築や運用管理、またクラウド連携などのICT技術全般に精通して作業を進めることは、ROSロボット開発者にとって、大きな負担になっている、と言う。
そこで、同社は本製品を提供することで、ROSロボット開発者の業務負担を軽減させ、開発者がロボットの新しい利用形態やサービスを思考、創造できる時間を増やし、市場の活性化を図る考えだ。

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ロボスタ編集部

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