ピカチュウ型トイロボット「ハロピカ」、ヒットの理由は大人の購入にあり
今年8月にタカラトミーから発売されたピカチュウ型のロボット「ねえ HelloPika(ハロピカ)」は、その愛らしい見た目とふるまいが特徴的なロボットだ。2,980円という価格で購入できるお手頃価格。タカラトミーは今後、韓国、中国、香港、台湾、シンガポール、マレーシア、タイ等、9つのアジアを中心とした国と地域にて順に発売することを予定している。
ねえ HelloPika(ハロピカ)
タカラトミーは目標販売台数を10万台と掲げているが「予定以上のペースで販売数は伸びている」という。
その理由を、大人世代の購入が想像以上に多かった点にあるとタカラトミーは分析する。通常、同社のポケモンおもちゃでは8割〜9割が12歳以下の子供達が購入(親が子供向けに購入)しているが、ハロピカは30代以上が2割購入、20代も含めると割合は約3割を占める。
予想以上に大人受けしていることに対して、タカラトミーはどのような印象を持っているのだろうか。ハロピカの開発を担当した夫馬司貴氏にお話を伺った。
ロボスタ編集部
実際のところ販売数は何体くらいまで伸びているのですか?
夫馬氏
目標にしていた10万個を上回る勢いで販売が伸びています。大人世代の方々に予想以上に購入して頂いております。
ロボスタ編集部
ピカチュウは大人にも人気なんですね。
夫馬氏
そうですね。ポケモン世代の方々はもちろんのこと、子どもの頃にポケモンに触れていない世代でも、想定以上の方々が「ピカチュウが好き」という理由で「ハロピカ」を購入してくださっているので、嬉しい気持ちはもちろん、驚きもありました。改めて「ポケモン」や「ピカチュウ」が世代を超えて幅広い層に愛されていることを実感しました。
ロボスタ編集部
ハロピカはいわゆる子供向けの「おもちゃロボット」というジャンルですよね。
夫馬氏
はい。ただ、実際には子どもたちだけでなく、大人の方でも話し相手として「ハロピカ」を楽しんでくださっているとのお声も耳にします。「ハロピカ」を通じて、お子様とパパ・ママ、お孫さんとおじいちゃん・おばあちゃんのコミュニケーションのキッカケになってくれると嬉しいです。ギフトとしても購入しやすい価格なので、コミュニケーション目的にプレゼントにご活用いただいている方もいらっしゃいますよ。
またSNSでの反響を見ていると、動いている映像やかわいらしく演出した画像などを投稿してくださっている方をたくさんお見かけします。小さなお子様より少し上のSNS世代の方には「SNS映えアイテム」としてお楽しみいただいているのかなという印象があります。私たちも想定していなかったかわいい遊び方をしてくださっていて、本当に嬉しい限りです。
ロボスタ編集部
そもそも、なぜ「ハロピカ」を開発することになったのでしょうか?
夫馬氏
ポケモンに登場する「ピカチュウ」は小さなお子様から大人まで、さらに日本を飛び出して世界の方々まで、多くの方に認知されるキャラクターに成長しました。
ピカチュウが皆さまに愛されている理由は、愛らしい見た目はもちろん、笑ったり、怒ったりと喜怒哀楽を表現し、色んな表情をするところにもあると思っております。
「ハロピカ」はそんなピカチュウを「よりリアルに再現したい!」という思いから開発がスタートし、「ねえ、 ピカチュウ!」と話しかけるとピカチュウが振り向いてくれる、かわいらしい様子を再現しました。
より多くの方に手に取っていただけるよう、できるだけシンプルな機能でコンパクトな大きさ、購入しやすい価格帯に設定しております。
ロボスタ編集部
価格を抑えるための工夫はありましたか?
夫馬氏
ピカチュウの可愛さを保てる程度に最小限の機能にしています。
ロボスタ編集部
その中でもこだわった機能はありますか?
夫馬氏
振り向いて見上げてくれる動きを基本動作として、呼びかけ(音)に反応してお返事したり、歌ったり、イヤイヤしたり、うなずいたりと、いろんな仕草をしてくるのがポイントです。
また「いつも一緒に」をコンセプトに、大きさを約10センチのポケットサイズに設定し、おうちの中だけでなく、一緒にお出かけしても楽しい商品を目指しました。持ち運ぶときのビジュアルにもこだわって、手の部分はポケットに入れた時にぴょこっと外に出る造りになっています。バッグの中にしまいこんでしまうのではなく、ポケットやバッグの縁からピカチュウの顔を覗かせて、一緒にお出かけしてもらえたら嬉しいですね。
いわゆる「ポケモン世代」にとってみれば、ピカチュウのロボットと聞くだけでつい欲しくなってしまう。しかし、そんなポケモン世代ではない層にも届いているというから、やはりポケモン人気はすごいものがあるのだなと改めて感じた。
最低限の機能で可愛さを表現したハロピカ。価格も手頃で、クリスマスや孫の日(10月21日)のプレゼントとしても重宝されそうだ。
ねえ HelloPika(ハロピカ)