米リシンク・ロボティクスが事業をクローズ ルンバの開発で知られるロドニーブルックス博士らが設立
2018年10月4日
By ロボスタ編集部
The ROBOT REPORTが「米リシンク・ロボティクスが事業をクローズする」(Rethink Robotics Closes its Doors)ことを報じた。ロボスタでも関係者に確認を取ったところ、残念ながらこれは事実のようだ。
リシンク・ロボティクスは、iRobot社のルンバの制御システム開発(サブサンプション・アーキテクチャ理論)でも知られるロボット工学の権威であるロドニー・ブルックス博士らが共同で設立した会社だ。同社が開発したロボットのひとつ「Sawyer」は、コーヒーを入れてくれるロボットとして国内でも採用されており、ロボスタで紹介した際はとても注目されていた。
人と協調するロボットを開発
同社は「人と協調する」産業用ロボットを開発してきた。同社のロボットのディスプレイに目があるのは、人間が複数のメンバーで作業をするとき、他の人がどこを見ているかによって、次に行う作業を予測し、協調して作業ができることから、ロボットにもその要素が重要と考えた結果だ。
来日の際、ブルックス博士はロボスタの取材に対して、今後は「協働ロボットは将来、家庭で介護や調理を支援する存在になるだろう」と語っていただけに、このニュースは残念だ。
The ROBOT REPORTがCrunchbaseから引用した内容によると「2008年に設立、現在までに約1億5000万ドルを調達。その最後の資金提供は、2017年8月の1800万ドルのシリーズE」だったとのこと。
市場のニーズにぴったりマッチした製品に繋がらず、ビジネス面で苦境に立ったものという見方が支配的だ。
今後、「Sawyer」などのロボット事業は他社に引き継ぎ、継続を模索しているようだが、現時点では不透明だ。