10月16日、TIS株式会社は「サービスロボットインテグレーション事業」を提供することを発表した。
本事業では、複数のサービスロボットを統合的に管理し、複数のロボット同士やセンサーなどの環境や人を含めた相互連携を実現するプラットフォーム「RoboticBase(ロボティック・ベース)」と、これに関連する「サービスロボットインテグレーション事業」を提供する。
「RoboticBase」では、業務・環境に適応させた新ロボットの追加のための標準的なインタフェイスを用意し、ロボットと設備に設置されたカメラやIoTデバイスとのリアルタイムなデータ連携、官民のオープンデータ(災害アラートなど)との連携を可能にするというもの。
「RoboticBase」は、今秋中にβ版を開発し、来春を目途に正式版を公開する予定。
「RoboticBase」の基盤技術
TISが提供する「RoboticBase」は、IoT・スマートシティ向け基盤ソフトウェア「FIWARE」(ファイウェア)をベースに構築されたソフトウェアサービス (SaaS)のプラットフォームだ。
「RoboticBase」では、「ロボット間のデータ連携」と「ロボットやIoT、オープンデータなどのデータ連携」が可能になる。技術的には、データ連携のための標準的なインタフェース仕様である「Next Generation Service Interface (NGSI)」に沿ったシステム間連携のしくみを利用するとともに、外部システムとの連携部分については、NGSI、HTTP、MQTTといったインターネットおよびIoTで標準的に活用されているプロトコルに対応しているため、サービスロボットメーカー各社も、「RoboticBase」を通じて他のロボットやIoT機器、オープンデータなどとの連携が容易になる。
「FIWARE」はEUがその成果をオープンソースとして公開しており、TISは2018年6月にその運営団体であるFIWAREFoundationにゴールドメンバーとして参画し、ロボットとIoTとの連携ソフトウェア開発を進めている。
FIWARE(英語)
「サービスロボットインテグレーション事業」の概要
TISによる「サービスロボットインテグレーション事業」では、以下2つのサービスメニューを準備する。
サービスロボットインテグレーションプラットフォーム「RoboticBase」
RoboticBaseはサービスロボットをインテグレーションするためのプラットフォーム機能を提供するソフトウェアサービス(SaaS)。
本プラットフォーム上では、ベンチャー企業などが開発・提供する警備や案内などの各業務に特化した各種のサービスロボットが「サービスロボット同士が効率的に連携し特定業務を分担する」「カメラやIoTデバイスとのデータ連携によりサービスロボットが様々な付加サービスを提供する」といった人の業務を代行・分担できるようになる環境が実現可能だ。
これによりサービスロボットを活用したい企業は、「RoboticBase」を介して複数機種のサービスロボットを束ねて統合的に業務利活用することができるようになる。
サービスロボット導入コンサルティング
企業がサービスロボットを導入するには、これまで人がやっているどの業務をロボット化するかという観点から、業務プロセスの再設計および費用対効果の算定が重要な課題となる。TISは、長年培ってきた、システム導入のための要件定義やシステム設計のノウハウを最大限活かすことで、サービスロボットを導入し効果を出すためのコンサルティングを提供する。
「RoboticBase」の構築に向けて、ゼネコン、デベロッパー、ビルメンテナンス企業などを含むビルメンテナンス市場の様々なプレイヤーとの協業の準備を進めている。
TISでは「サービスロボットインテグレーション事業」を、まずは警備や案内、運搬、清掃など業務代行のニーズがあるビルメンテナンス市場向けに展開し、段階的に適応市場を広げることで、関連ビジネスの売上として、2023年度までに40億円、2026年度には110億円規模の事業への拡大を目指す。
TIS株式会社
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北構 武憲本業はコミュニケーションロボットやVUI(Voice User Interface)デバイスに関するコンサルティング。主にハッカソン・アイデアソンやロボットが導入された現場への取材を行います。コミュニケーションロボットやVUIデバイスなどがどのように社会に浸透していくかに注目しています。