ソフトバンクロボティクスはPepper向けのリモート管理運用ツール「Robot Suite」(ロボット スイート)のリリースを発表し、10月25日よりユーザーが利用できるようにした。
Robot Suiteは、Pepperを導入した企業の管理者が遠隔から手軽にPepperの状態を把握したり(ヘルスチェック)、再起動したり、アップデートすることができる法人向けツール。稼働レポートも確認できる。Pepper for Bizのユーザは無料で利用できる。
複数台のPepperも一括管理できる
複数台のPepperも同時に管理できる。例えば全国の営業所や店頭に複数台のPepperを導入しているものの、メンテナンスやアップデートするなどの運用・管理を管理部や技術部が一括して行っている企業には最適だ。操作はブラウザベースなので簡単だ。
不調のときの再起動
Pepperの不調の問合わせを店舗の担当者から受けた管理者が、まずは試してみたいのが再起動。Robot Suiteを使うことで、特定のPepperの再起動が簡単になる。
ヘルスチェックで自己診断
それぞれのPepperが正常に動作しているかどうか遠隔から確認できる。自己診断(ヘルスチェック)を実行すると、不調の箇所や、故障の恐れのある部分があると通知される。ヘルスチェックでは、起動の状況、ハードウエアの不調、OSが把握できる範囲でのソフトウェア的な異常などがわかる。Pepperが業務を継続できる状態かどうかを、信号機(緑、黄色、赤)とPepperの表情のアイコンを使ってわかりやすく表示する機能も用意した。
稼働状況を手軽にチェック
店頭や受付などで活躍しているはずのPepperだが、きちんと稼働しているのか、どれくらい人と接しているか、どれくらいPepperが働いているかなどを、管理者が迅速に把握することを支援する「稼働レポート」機能を装備している。
また、Robot Suiteの画面メニューからサポート情報をチェックしたり、ソフトバンクロボティクスのチャットボットを起動するなどができるようになった。
Pepperの運用管理やヘルスチェックを遠隔からできる。複数台の管理もできる。
Pepperのアプリの更新を遠隔からできる。複数台を対象に一度にアップデートできる。
遠隔から手軽にPepperの再起動ができる(アプリの不具合によるハングアップやセンサー異常時等に便利)。
管理者向け稼働レポート機能。使用状況の確認などがチェックできる。
サポート情報やチャットボットのアクセス等がメニューから手軽にできる。
開発担当者のひとこと
「Robot Suite」を開発、リリースしたソフトバンクロボティクスの開発担当者である山本氏に聞いた。
山本氏
Pepperは発売以来の運用を通じて、不調を自律的に検知して再起動するなど、故障・トラブルを減らすための対策を施してきました。また、不調を自律的に検知して再起動したり、トラブル時にカスタマーケアセンターが遠隔からPepperの健康状況を把握するなど、運用やメンテナンスに関わる多くの機能も追加しました。その効果もあって故障率は大きく下がっています。更に便利に安定してご使用頂くために「Robot Suite」をリリースしました。これを利用することで、Pepperが健康管理を自身で行ったり、アプリの一括更新、再起動による復旧など、お客様自身で遠隔から行える作業が大幅に増えております。運用管理面ではとても便利になると信じています。多くのユーザー様に使って頂き、フィードバックを通じて更なるブラッシュアップを図っていければと考えています。
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神崎 洋治神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。