身長約3mのロボットが人間と協調した光のダンスパフォーマンスを初披露!Robotic Choreographer

ロボットがダンスをする姿は既に目にしたことがある読者の方も多いだろう。どうやら人間はロボットを開発するとダンスを踊らせたくなるらしい。しかし、これは今までのロボットによるダンスパフォーマンスとはひと味違う。

現在開催中のPanasonic創業100周年イベントCROSS-VALUE INNOVATION FORUM 2018では、最高峰の表現力を持ったロボットがヒトと協調してダンスパフォーマンスをする姿を見ることができる。



パフォーマンス専用ロボットRobotic Choreographer

このパフォーマンス専用ロボットの名はRobotic Choreographer(ロボティック・コレオグラファー)。
ステージでパフォーマンスをすることに特化したRobotics Choreographerは身長約3m。高速な動作と繊細な制御を併せ持つカーボン製の軽量なアームは、2軸の無限回転関節をもち、1秒間に最大5回転できるという。
まずはそのダンスパフォーマンスを見てみよう。

「ATOUN パワードウェアを装着して能力が拡張された人間」とロボットによる共演から、ダンスパフォーマンスの未来を感じる。

開発者は藤本実氏。高い技術力を背景に、ダンスと光を融合した表現を得意とするメディアアーティストだ。

藤本氏はNHKの紅白歌合戦でのEXILEのパフォーマンスや、ワイモバイルのCMなどで、衣装から光を放ち舞い踊るダンサーを演出したことで知られている。

Robotic Choreographerは一流の舞台演出家たちの要望を実現させてきた藤本氏によって「人間より大きく・人間より速いパフォーマーを作る」、というコンセプトのもとに生み出された。(※ロボットの機構開発はロボットシステムのトータルソリューションを提供するマッスル株式会社が担当)


藤本さんは神戸大学でウェアラブルコンピューティングなどを研究する塚本・寺田研究室で博士号を取得したという異色のメディアアーティスト。自身のダンス経験と高い技術力を活かして様々な光の表現を舞台を実現する。
使用する機材は彼が率いるmplusplus(エムプラスプラス)株式会社が製造。その多くはパーツから独自設計しているという。写真はm plus plusが開発したQuantified Dancer

ダンサーと共に運用されることを想定しているため不安定さにつながる移動機能は省いた。舞台への設営を容易にするため、バッテリー駆動にするなど、今までにプロの舞台で培った経験による大胆なわりきりがみられる。

その巨体が生む迫力と表現力は、今までも、いくつかの展示会でみられてきたが、音楽に合わせ、ダンサーと共に光をまとって全力でパフォーマンスする姿を一般に公開するのは初めてのことだという。

大型ロボットが高速でアームを振り回す姿はなかなか見られるものではないが、それに加えて光の中でロボットとヒトが溶け合うような表現は一見の価値ありだ。

ロボット開発者がダンスを披露する理由は数多くの関節や重心を制御する技術をわかりやすくアピールすることができるから、というのもあるだろう。しかし、無機物であるロボットが、動きを通じて何かを表現する姿が多くの人を惹き付ける、ということが最も大きな理由ではないだろうか。

このパフォーマンスは「ロボットとヒトとの協調動作」という難しげなワードに身構えることなく、頭をカラにして眼の前の舞台で起こることをただただ体感してみてほしい。


公演予定

パナソニック100周年イベント CROSS-VALUE INNOVATION FORUM 2018 NEXT100
場所:東京国際フォーラム B7ホール

■11/1(木)
①10:00~
②12:30~
③17:00~

■11/2(金)
①10:00~
②12:30~
③17:30~
(※予定は変更される可能性があります。)

ABOUT THE AUTHOR / 

梅田 正人

大手電機メーカーで生産技術系エンジニアとして勤務後、メディアアーティストのもとでアシスタントワークを続け、プロダクトデザイナーとして独立。その後、アビダルマ株式会社にてデザイナー、コミュニティマネージャー、コンサルタントとして勤務。 ソフトバンクロボティクスでのPepper事業立ち上げ時からコミュニティマネジメント業務のサポートに携わる。今後は活動の範囲をIoT分野にも広げていくにあたりロボットスタートの業務にも合流する。

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