羽田空港内で自動運転バス実用化に向け NEC、ANA、SBドライブらが1月15日から実証実験

愛知製鋼株式会社、SBドライブ株式会社、先進モビリティ株式会社、全日本空輸株式会社(ANA)、株式会社NIPPO、日本電気株式会社(NEC)の6社は、2019年1月15日から25日までの間、羽田空港の制限区域内で自動運転バスの実証実験を実施することを発表した。

ANAとSBドライブは、2020年以降に空港で自動運転バスを実用化することを目指し、2018年2月に羽田空港新整備場地区で自動運転バスの実証実験を実施し、車両走行制御技術や遠隔運行管理システムの検証などを行った。今回の実証実験では、実用化に向けた次のステップとして、上記6社が連携して、航空機や特殊車両が走行する空港特有の環境下での自動運転バスの走行に必要な環境整備などを検証するほか、実用化に向けた課題の抽出を行う。

同実証実験で使用されるのは、日野自動車株式会社の「日野ポンチョ」をベースに先進モビリティが改造した自動運転バス。実証実験では、羽田空港の第2ターミナル本館とサテライト(別棟)間、片道約600mを自動運転システムが全ての運転タスクを実施する「自動運転レベル3」で往復走行を行なう。

今回の実証実験では利用者の輸送は行わず、関係者のみでの実施となる。


空港特有の環境下で自動運転レベル3での走行検証

今回の走行ルートは、実際に専用車両が乗客輸送や貨物運搬を行うルートであるため、高い精度で車両位置を調整しながら走行することが求められる。しかしその一方で、周囲の遮蔽(しゃへい)物によりGPSの電波を取得できないエリアがあるため、走行ルートに沿って磁気マーカーを埋設し、車両の底部に設置した高感度磁気センサー(MIセンサー)でそれを検知することで、GPSの電波が届かない環境でも安定的に車両位置を自動調整できるようにする。



今回使用する磁気マーカーは、IoT・ビッグデータ時代に対応すべく新規に開発したRFIDタグ付きのもので、国内で初めて次世代磁気マーカーを空港制限区域内に埋設して読み取り性能を検証する。


空港内での自動運転バスの実用化に向けた課題の抽出、必要な環境整備の検証

自動運転バスの実用化に向け、SBドライブの遠隔運行管理システム「Dispatcher(ディスパッチャー)」を利用して運行管理が行われる。バスの乗降地点で、乗降が完了したことをスタッフが遠隔地にいるオペレーターに伝え、オペレーターは「Dispatcher」でバスが発車可能な状況であることを確認する。

また、ルートには走行車両が航空機のエンジンによるブラスト(航空機のジェットエンジンが噴出する高温・高圧の排気)を避けるための停止線があり、バスはそこで一度停止した後、オペレーターが「Dispatcher」でブラストの状況を確認して走行を再開させる。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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