三菱地所がソフトバンクの清掃ロボット「Whiz」を日本初導入、全国のビルや商業施設等に約100台を順次展開予定

三菱地所株式会社は、ソフトバンクロボティクス社が2018年11月に発表したAIを搭載したバキューム型自動運転清掃ロボット「Whiz(ウィズ)」の導入を発表した。同社によれば、この機種の導入は日本初とのこと。
また、2019年4月より同機種を約100台をさらに順次導入し、三菱地所グループが所有していたり、運営管理をしている全国のオフィスビル・商業施設・物流施設・空港・ホテル・マンション等で活用する方針だ。人手不足に対応した新たな管理スタイルの追求を行っていく。


2018年12月に開催された「ビルメンヒューマンフェア&クリーンEXPO 2018」のパネルディスカッションにおいて、同社の渋谷氏は初公開だったこの機種に可能性を感じ、100台の予約を宣言していた。今回の発表はこれを実践にうつしたことになる。

同社では、丸ビルや横浜ランドマークタワーなどにおいて、これまで様々なロボットの実証実験を積極的に行い、実導入に向けた課題と対策を模索してきた。掃除ロボットだけでなく、警備ロボットや運搬ロボットなども実験対象として、自動化に取り組んでいる。また、小型ロボット「ZUKKU(ズック)」を用いた顔認証による店舗案内サービス実験や、「EMIEW 3」による案内ロボットの実証実験などにも着手してきた。

大型の自動運転掃除ロボット・スクラバー(丸の内)

自律移動型の警備ロボット(横浜ランドマーク)

人を追尾して移動する自動運搬ロボット(横浜ランドマーク)

同社は「Whiz は、清掃効率・自律走行機能・費用面等を含め、認識していた課題解決にも寄与すると考えられる他、従来もっぱら人手に頼っていた床面の清掃作業の主要部分をロボットに任せることで、人手不足に直面しているビルメンテナンス業界の働き方改革に繋がる可能性も期待できることから、今回本導入に至った」とコメントしている。


業務用バキューム清掃ロボット「Whiz」とは

Whizは、床がカーペットやフローリングでも、ゴミを吸い取る事が可能な乾式の清掃ロボット。ティーチングと呼ばれる、自動清掃するルートをロボットに教える作業が簡単に行え、作業もスタッフが手で押して移動したルートを自動で学習するため、エンジニアなしで導入する事ができる。

三菱地所は下記の特徴を評価しているようだ。

【「Whiz」の主な特長】
1.高い清掃効率
1時間500 ㎡、最大約3 時間稼働で 1,500 ㎡を自律清掃。
2.簡単な設定
最初に同機を手押しして清掃エリアの地図データを作成・記憶。 一度清掃ルートを作成・記憶すれば、後はスタートボタンを押す だけで記憶した地図データを基に清掃ルートを自律走行可能。
3.柔軟な自律走行
清掃ルート上に人や障害物が出現しても、「Whiz」に搭載された 複数のセンサーが検知することで回避しながら走行することが可能。
4.充実の管理機能
PC やスマホで分析レポートによる状況確認、リアルタイムでの稼働状況・異常検知も確認可能。


大手町でWhizなどを実証実験

この発表は、清掃ロボット事業には新規参入のソフトバンクロボティクスにとって追い風になりそうだ。
また、ロボットによる自動化に期待する清掃業界にとっても春の知らせになるかもしれない。

なお、三菱地所は導入に先立ち、三菱地所の本社がある大手町パークビルにおいて、1月17日(木)から23日(水)の約1週間、「Whiz」による清掃の実証実験を行い、利用場所の形状や床材の違いによる清掃性能、清掃効率の差異等を確認し、省人化の効果や導入に向けた最適な利用箇所等の検証を行う予定。

関連サイト
三菱地所株式会社

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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