おでんロボ、コンビニ品出しロボ、ピアノロボ、なんでもグリッパ、指皮センサ・・。
豊田合成のブースでは、先進の超分子ゴムをロボットやハプティクス分野に活用したデモが行われ、賑わいを見せている。
今後のロボット、センシング、ハプティクス、VR技術など、幅広い分野に一石を投じそうな新技術。その可能性を感じることができる、オススメの展示ブースだ。
おでんロボ
人間でも殻つきの卵かゆで卵か、見ただけでは解らないことがある。このデモではロボットが卵に触れて、柔らかければゆで卵だと判断しておでんの中にいれ、硬ければ殻つき卵だと判断して卵ケースに戻す、という実演が行われている。
卵をはさみこむハンドの片側にe-Rubberが装着されていて、そこで柔らかさを検知している。
■豊田合成「おでんロボ」
コンビニ品出しロボ
空圧式のロボットハンド部分にゴム製の指を使ったソフトロボティクス技術の実演。コンビニの品物には柔らかくて、メタル系の硬いハンドでは凹ませたり、傷をつけてしまう可能性もある。豊田合成は指の部分をゴム製にすることで、加減をもって商品をつかむことができる。デモでは予めディープラーニングで商品の形状や持ちやすい部分を機械学習して実践している。
なお、おでんロボに見られるように、e-Rubberの技術を指先に使うと、商品の柔らかさを常時確認しながら把持することができるようになる。今回のデモでは実装されていないが、指先のセンサーが感じる動画が横で展示されていた。今後の開発が楽しみである。
■豊田合成 「コンビニ品出しロボ」
ピアノロボ
ピアノの鍵盤を叩くのも、メタル系のフィンガーより、ソフトロボティクスの方が柔らかく、やさしい音色が奏でられるかもしれない。
なんでもグリッパ
ロボットによる自動化をゴム製のハンドで実用的・効率的にしようというもの。グリッパで挟み込んだ品物を持ち上げるデモ。デモではシャンプー500mlの重さももちあげる。
挟み込みは手首の機械部で行い、把持するグリップ部分は剛性を調整したゴム製で許容範囲が広いため、把持する品物に合わせてグリッパを変更する必要がない。
同社では既に自社内で使用していて、今までは成形品の形状によってグリッパを変更しないといけなかったとろを、なんでもグリッパを使うことで、多くの成形品をひとつのグリッパでつかめるようになり効率化がはかれたと言う。
■豊田合成 ゴム式ロボットハンド「なんでもグリッパ」
ハプティクスへの活用
既にロボスタの記事で紹介した風船を使ったり、脈動を伝達する触覚のデモが展示ブースで体験できる。触覚の伝達に興味がある人はぜひ体感してみて欲しい。
e-Rubberは絆創膏のように薄く、指先につけることで、触覚を感じるセンサーにも、触覚を伝えるアクチュエータにもなる。展示ブースではセンシングの体験ができるコーナーもあり、ロボットハンドへの応用のイメージも展示されている。
グローブやロボットハンドへの応用では、既にBluetoothでのモバイル実験が行われていて、指先につけた模型や実働のセンサーセットが体験できる。
■豊田合成 指先センサーの体感デモ