移動式自動販売ロボット「Fanbot」開発のEVENTEC社、数億円の資金調達を発表

中国のロボット開発会社EVENTEC(越凡創新)がORIONSTAR(猟戸星空)から資金調達を行なったことを発表した。金額は数千万元(日本円で数億円)とだけ公表されている。

EVENTECは、小売領域のロボットサービスを提供する会社であり、本社所在地は四川省成都市。EVENTEC社の小売ロボット「Fanbot」は自動で見込み客を探し、接客をし、販売をする機能を持つ「自動販売ロボット」だ。

出資を行なったORIONSTARは中国のインターネット大手・Cheetah Mobile社の子会社で、音声識別、画像認識などAI技術の開発を行なっている。

Fanbotは、一度に100個以上の商品をストックすることができ、環境感知センサーや生物を認識するモジュールにより「見込み客」の位置を把握し、その場所までナビシステムで最適なルートで移動する。Fanbotはお客が欲しいと言った商品のQRコードを客に提示し、音声やパネルインタラクションを通じて販売する。自動で充電し、商品の補充場所まで戻ることも可能だ。導入店舗は、スマホアプリを通して、ロボットの運行状況や商品の販売状況などを把握することもできる。

Fanbot (Video from youku)

EVENTEC社の発表資料によると、電子科学技術大学の図書館で1ヶ月間(累計204時間)の実証実験を行なった結果、平均約110秒間で1つのドリンクが販売され、1時間に約3500人ほどが通る商店街では1分間で約2.3個のドリンクが売れたという。また同社は、スーパーで実験をしたところロボットがいることが話題となり来店客が60%増加したとも述べている。

Fanbotは今後レンタルで提供される予定で、価格は月額2999元(約48,000円)。2019年の導入予定台数がすでに数千台に達したとも発表されている。

今後中国ではこの小売ロボット「Fanbot」が様々な施設で活躍していくことだろう。

ABOUT THE AUTHOR / 

郭 心宇

中国出身、1993年生まれの25歳。2018年東京大学プロトタイピング・デザイン研究室から修士課程を終了した。中国・日本のロボットを調査しながら、知識と経験を積むことを目的として、ロボスタでアルバイト中。ロボット以外では、スポーツと旅行も好き。日本全国を回ることが三年以内の目標です。

PR

連載・コラム