【米国最新調査】7,700万人が車内で音声アシスタントを利用中、車選びにも影響
米Voicebot.aiが2019年の車載音声アシスタントに関するレポートを発表した。米国成人1,040人を対象にしたアンケートで、車内での音声アシスタントの利用動向をまとめたものだ。米国成人の自動車所有率は90%。運転中に目と手は使えないため、家庭内よりも車内のほうが音声アシスタントは重要な役割を果たすと考えられている。
今回はこの「車載音声アシスタント」の最新レポートから一部を抜粋して紹介する。
音声アシスタントのアクティブユーザー
アンケートを元に推計すると、アメリカの成人人口2億5,200万人のうち、4,570万人がスマートスピーカーを毎月利用し、7,700万人が車内で毎月利用しているという。音声アシスタントは家にあるスマートスピーカーと比較すると、車内で利用する人の方が多いという結果となった。
デバイス別の音声アシスタント利用率
利用率で見ると、やはりスマートスピーカーが高く(93.3%)、スマートフォン(65.8%)、自動車(50.1%)と続く。車内利用の伸び率はまだまだ高いとも言えそうだ。
車内音声アシスタントの利用システム
では車内で、どのようにして音声アシスタントを利用しているのだろうか。同調査によれば、車載システムをBluetoothでスマートフォンと接続するケースと、もともと車載されていたケースが30%を超えている。そして「Apple CarPlay」(20.7%)、「Android Auto」(9.5%)と続いた。
車内音声アシスタントの利用者
年齢では30〜44歳の世代が33.5%と最も利用率が高い。収入では15万〜20万ドルの層が69.2%と最も利用率が高い。
車内音声アシスタントの利用頻度
少なくとも月1回以上使う人が67.5%と最多となった。毎日使うユーザーは24.2%、試したが使わないと回答したのはわずか3.6%に留まった。
車内音声アシスタントの利用用途
車内で音声アシスタントは何を目的に利用されているのだろうか。トップは電話(73.7%)、次いでナビゲーション(50.3%)、メッセージ送信(41.2%)、音楽再生(28.7%)となった。いかにも車載らしい使われ方と言えるだろう。
車内音声アシスタントの改善に関するイメージ
車内音声アシスタントは過去2年で半数以上が改善されたと回答。パフォーマンスが低下したと感じたのはわずか2.8%だった。
車内音声アシスタントの自動車購入決定に対する影響度
では音声アシスタントは車選びにどの程度影響しているだろうか。自動車購入者の約60%が音声アシスタントの存在が重要であると回答。さらに5人に1人の自動車購入者が、好きな音声アシスタントが使えるかどうかが重要な検討事項または要件となっていると回答した。これは自動車メーカーにとっては驚くべき結果だろう。
2019年の車載音声アシスタントへの期待度
2019年、より車内で使うようになると回答したのは57.6%、ネガティブな回答はわずか4.0%だった。今年もますます車内での音声アシスタントの利用が進むのは間違いないところだろう。
興味のある方は、Voicebot.aiのレポートページから登録すれば、無料で全ページがダウンロードできる。
Source:Voicebot.ai
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中橋 義博1970年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学時代、月刊ASCII編集部でテクニカルライターとして働く。大学卒業後、国内生命保険会社本社において約6年間、保険支払業務システムの企画を担当。その後、ヤフー株式会社で約3年間、PCの検索サービス、モバイルディレクトリ検索サービスの立ち上げに携わる。同社退社後、オーバーチュア株式会社にてサービス立ち上げ前から1年半、サーチリスティングのエディトリアル、コンテントマッチ業務を担当する。2004年に世界初のモバイルリスティングを開始したサーチテリア株式会社を創業、同社代表取締役社長に就任。2011年にサーチテリア株式会社をGMOアドパートナーズ株式会社へ売却。GMOサーチテリア株式会社代表取締役社長、GMOモバイル株式会社取締役を歴任。2014年ロボットスタート株式会社を設立し、現在同社代表取締役社長。著書にダイヤモンド社「モバイルSEM―ケータイ・ビジネスの最先端マーケティング手法」がある。