ロボット開発のUBTECHが目指すのは一般家庭へのロボット普及 資金調達が成功すれば評価額は1兆円へ
中国のテックメディアALL WEATHER TMT(全天候科技)の速報によれば、UBTECH Robotics Corp.(本社:中国深セン)CEOの周剣(James Zhou)氏が「UBTECHシリーズC+の資金調達が成功に近づき、成功すれば会社の資産評価は100億ドル(1兆円)程度に達する」ということを非公式ながら発表した。
2012年に設立された同社は、これまでにAlphaなどの二足歩行ロボットや、世界中に展開しているSTEMロボット「Jimu Robot」、スター・ウォーズの「ストームトルーパー」などの開発・販売を行っている。
また、2018年〜2019年に2年連続でCESに出展し、現在開発中の複数のロボット製品の展示を行って注目された。Alexaを搭載したロボット「Lynx」やTecent jingleを搭載したポータブル式コミュニケーションロボット「Alpha mini」といった小型のロボットから、STEMロボット「Jimu Robot」、一般家庭向け、人と同程度のサイズのヒューマンロイドロボット「Walker」、車輪付きの「Cruzr」などだ。
中国のテックメディアALL WEATHER TMTがおこなったZhou氏へのインタビューでは、UBTECHの2018年度の営業収入は前年比で倍増しており、黒字を達成しているという。
また、「現時点で、知能ロボットの発展はまだ初期段階で、技術的な難題や、開発コストのコントロール、量産化の実現など様々な問題が残っている。人型ロボットが本格的にビジネス活用できるようになるまでは30年か、さらに50年かかるかもしれない。しかし、5年か10年くらいで、一部のヒューマノイドロボットが一般家庭に入ることが可能ではないか」と周剣氏は考えている。
また、周氏は「状況が厳しくなっているロボット業界において、UBTECHにとって、引き続きの成長を支えているのは何ですか」という質問に対して、「UBTECHは当初よりハードウェアを開発し、核心的なサーボモーターの研究開発を着手してきた。一方で人工知能の研究や、ロボットモーションコントロールのアルゴリズムの開発など、ソフトウェア関連も様々な方面に強みがある。また、UBTECHが開発している人型ロボットはデモや実験用のだめではなく、一般消費者向けのものをずっと目指している。中短期的には、ビジネス向けと消費者向けを両立していきたいが、将来的には人型ロボットのコストを下げて量産化を実現し、一般家庭に普及させることに努力している」と答えた。
また、周氏はUBTECHの上場計画を適切なタイミングで発表すると述べた。
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郭 心宇中国出身、1993年生まれの25歳。2018年東京大学プロトタイピング・デザイン研究室から修士課程を終了した。中国・日本のロボットを調査しながら、知識と経験を積むことを目的として、ロボスタでアルバイト中。ロボット以外では、スポーツと旅行も好き。日本全国を回ることが三年以内の目標です。