「日経メッセ 街づくり・店づくり総合展」として、「JAPAN SHOP」「建築・建材展」「リテールテックJAPAN」「SECURITY SHOW」「ライティング・フェア」「LED NEXT STAGE」「フランチャイズ・ショー」の各展示会が、2019年3月5日(火)〜8日(金)の日程で東京ビッグサイトで行われている。主催は日本経済新聞社。流通業の課題である労働力不足をカバーするために、ロボット技術やICTの利活用などがテーマの一つとなっている。
綜合警備保障株式会社(ALSOK)、三菱地所株式会社、SEQSENSE(シークセンス)株式会社は共同で、3月5日、大手町・丸の内・有楽町地区の三菱地所のビルに、ALSOKがSEQSENSE社の警備ロボットを導入すると発表した。具体的には、ALSOK東京株式会社が常駐警備を提供している三菱地所関連ビルに、ALSOKの新型の警備ロボット「REBORG-Z」と、シークセンスのロボット「SQ-2」を導入する。シークセンスの自律移動型ロボットにALSOKの警備ノウハウを提供する。
セキュリティショウのALSOKブースでは、二社のロボットがお披露目された。SEQSENSE社の警備ロボット「SQ-2」が主に動き回る警備である動哨専門であるのに対し、ALSOK「REBORG-Z」は一定の場所に待機して警備を行う立哨と動哨を兼ねるというかたちで使い分ける。
ALSOK「REBORG-Z」 危険性ガス検知や消火機能も
新型の「REBORG-Z」は異常音検知のほか、今後は、危険性ガスの検知、そして消火機能などがオプションとしてつく予定。消火器は背面につき、前方にノズルを回すかたちで装備することになるという。
SEQSENSE「SQ-2」
SEQSENSE「SQ-2」については本誌の過去記事が詳しいので、そちらをご覧いただきたい。三菱地所はSEQSENSEに対して2018年6月、5億円を出資して共同で警備ロボットを開発している。
SEQSENSEの環境認識技術とALSOKの警備ノウハウの組み合わせ
今回の発表により、ロボットのユーザーとしてALSOKが決まり、実用化に向けた動きが加速することが予想される。
ALSOKの警備ロボット開発の歴史も1982年からと長い。そのALSOKの警備会社としてのノウハウと、SEQSENSE社の持つ環境認識技術とが組み合わされ、実用的な警備ロボットの活用が本格的に始まることを期待したい。
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森山 和道フリーランスのサイエンスライター。1970年生。愛媛県宇和島市出身。1993年に広島大学理学部地質学科卒業。同年、NHKにディレクターとして入局。教育番組、芸能系生放送番組、ポップな科学番組等の制作に従事する。1997年8月末日退職。フリーライターになる。現在、科学技術分野全般を対象に取材執筆を行う。特に脳科学、ロボティクス、インターフェースデザイン分野。研究者インタビューを得意とする。WEB:http://moriyama.com/ Twitter:https://twitter.com/kmoriyama 著書:ロボットパークは大さわぎ! (学研まんが科学ふしぎクエスト)が好評発売中!