下北沢駅にオムロンの案内ロボが入社へ フェアリーデバイセズの音声処理技術を活用
京王電鉄は、3月16日(土)から井の頭線下北沢駅の中央改札口新設にあわせて、多様化する利用者のニーズにスピーディにお応えすることを目的に、対話型AIエンジンを搭載したオムロン開発の窓口案内ロボや、運賃表一体型デジタルサイネージ、駅総合案内デジタルサイネージの運用を開始することを発表した。
AIロボは、利用者からの乗換案内や構内・周辺案内、運行情報などの問い合わせに対して、音声とディスプレイ表示を通して回答し、対話へのうなずきや体や腕の動作で案内をしてくれる案内ロボット。雑踏環境下でも正確に音声を集音、言葉を認識し、ここから〇〇の駅に行きたい、PASMOの買い方教えて、エスカレーター・近くのコンビニの場所教えてなどといった問い合わせに対応する。利用者との対話を重ねるにつれ、新入社員から駅長を目指して成長していく。
運賃表一体型デジタルサイネージは、券売機上に設置され、デジタル表示により運賃表部分の明度差が従来より鮮明になる。また、井の頭線下北沢駅周辺のリアルタイムな列車走行位置情報を知ることができ、異常時には多言語(日・英・中・韓)に対応した情報提供も行ってくれる。
駅総合案内デジタルサイネージは、駅の総合案内看板をタッチパネル式のデジタルサイネージ。乗換案内や構内・周辺案内の訪日外国人向けの多言語表示でリアルタイムな列車走行位置などを知ることができる。
ロボットに搭載された技術
このロボットには、フェアリーデバイセズが開発した音声処理技術「mimi」、そしてロボットから発せられるモーターなどの作動音の影響をできるだけ削減し、発話者の音声をクリアに集音することに適したマルチマイクハードウェア「Fairy I/O」が搭載されている。
特に今回、雑音の多い環境においても正確な音声を収音するために「mimi XFE」が持つVAD(発話区間抽出)、エコーキャンセル、ビームフォーミング技術が活用されている。
VADは、人が話し始めこと、また話し終わったことを検出、ビームフォーミングで目的とする音声のみを強調して集音し、エコーキャンセルは、ロボットが発話している最中でも人間の声を認識することができるバージイン対応(割り込み発話対応)を実現している。
このため、「機械の準備が整うまで待つ」「機械がしゃべり終わるまで待つ」といった利用者側のストレスを解消し、人間にとってより自然なコミュニケーションを実現している。
AIロボットの試験運用開始日は、3月16日(土)10時からで、場所は井の頭線下北沢駅中央口に設置される。また、同日の10時からAIロボの入社式が行われ、式ではAIロボの基本機能や対話の様子が紹介される。
運賃表一体型デジタルサイネージ、駅総合案内デジタルサイネージの運用は3月16日(土)の始発から行われ、駅総合案内のみが多言語(日本語・英語・中国語・韓国語)の対応となる。
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。