AIが眼底画像を見て糖尿病網膜症をチェック 97%の精度で判定することに成功 Ristがツカザキ病院眼科と連携

世界保健機関の報告によると、糖尿病患者の25.8%が網膜症の合併症を有すると報告されている。

株式会社Ristは、社会医療法人三栄会ツカザキ病院眼科と連携し、広角眼底画像を用いてAIによる増殖糖尿病網膜症の判定を行い、その結果AUC97%の精度を達成したことを発表。そして、その成果が眼科に関する国際学術誌に掲載された。


糖尿病網膜症は、糖尿病の合併症として起きる目の病気。糖尿病腎症・神経症とともに糖尿病の3大合併症のひとつで、成人の失明原因の上位に位置する。症状は、主に初期・中期・末期と3つの状態に分けられ、末期になると、視力低下や飛蚊症が起こり、さらには失明に至ることもある。また、目の中で大きな出血が起こる、あるいは網膜剥離や、緑内障など、他の病気を併発しているケースもある。

取り組みでは、Optos社の網膜画像を生成するOptosで撮影した132枚の増殖糖尿病網膜症の画像と246枚の正常眼を機械学習の一つであるディープコンボリューションニューラルネットワーク(DCNN)を用いて、未治療の増殖性糖尿病性網膜症を検出、臨床上有用な高い精度を得ることに成功した。


増殖糖尿病網膜症のカラーと白黒の画像

ディープラーニングの解析の対象にしたOptos社の広角眼底画像は、現在、健診などで主に用いられている従来型非散瞳眼底カメラの4倍以上の画角を持ち、わずか2㎜の自然瞳孔下から眼底の80%のエリアを撮影可能なため、眼科遠隔診療の革新技術と認識されている。

また、Ristと三栄会ツカザキ病院眼科が進めているOptos画像へのAIアルゴリズムは、国内外の人間ドックを始めとした健診、眼科医のいない医療過疎地での遠隔診療などへの組み込みを可能にする、としている。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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