2019年3月7日、米国Voicebot.aiとVoicifyが「U.S. Smart Speaker Consumer Adoption Report 2019」を発表した。2019年1月での米国のスマートスピーカー市場の状況が細かく調査された内容となっている。以下レポートの中から一部を紹介する。
米国の成人のスマートスピーカー所有
去年の4,730万台から39.8%増の6,640万台に増加。米国成人の26.2%が4人に1人以上がスマートスピーカーにアクセスできる状況になった。
現在米国で使われているスマートスピーカーの総数は1億3,300万台に達したという。
米国スマートスピーカーの市場シェア
2018年1月と2019年1月で比較してGoogleがシェアを伸ばしたがAmazonが61.1%と半数以上のシェアを維持。その他はAppleとSonosが主導しているという。
米国のデバイス別スマートスピーカーの市場シェア
デバイス別ではEcho Dotが31.4%と最多。GoogleはGoogle HomeとGoogle Home Miniがほぼ同人気。低価格スピーカーが全体の43%を占めた。
米国スマートスピーカー所有者のスマートディスプレイ採用度
月を追ってスマートディスプレイが伸びており2019年1月には13.2%となった。結果、2018年末に870万台のスマートディスプレイが出荷されたという。
米国スマートディスプレイの市場シェア
Amazonが67.0%でリード、Googleが33.0%と続く。AmazonはEcho Spot、Echo Showのラインナップがあり、Google Home Hubよりも販売が先行していた。なおGoogleは、Google Assistant搭載のスマートディスプレイの38.5%のシェアを持つだけで、残りはLenovo、JBL、LGなどのサードパーティー製スマートディスプレイとなっている。
米国スマートスピーカーの利用頻度
2018年に比べて2019年の方が利用頻度が落ちている。これは初期のユーザーはアーリーアダプターとして積極的に使う傾向が見られ、新たなユーザーの方が毎日使う人が少ない傾向にあるため。それでも毎日使う人が47.4%もいることを示している。
米国世帯あたりのスマートスピーカー所有台数
2018年に比べて複数所有の世帯が増えている。2019年では40%以上の世帯が複数台所有となっている。
米国スマートスピーカーの利用用途
一般的な質問、音楽再生、天気、アラーム、タイマー、ラジオと続いた。大きな変化は見受けられない。
米国のスマートスピーカーに対する質問カテゴリ
音楽に関する質問が54.9%と圧倒的。次いでニュース、映画と続く。
米国のスマートスピーカー所有者が使用するスマートホームデバイス
スマートホームデバイスの所有は55.6%。よく使われているのはスマートTV、スマートライトと続いた。
スマートフォンで音声アシスタント利用
2018年の56.7%から2019年に70.2%と大きく伸びた。3,100万人の米国成人が利用した計算になる。
スマートスピーカー所有者のスマートフォンでの音声アシスタント利用
スマートスピーカーを所有する人は、スマートフォンでの音声アシスタント利用が高い傾向が見られる。毎日使う人は倍増する。
米国ユーザーのスマートスピーカーの品質評価ポイント
自分の言ったことをよく理解しているか67.0%、音質54.9%、できること 50.7%、応答速度45.1%と続いた。
他にも様々なデータが公開されている。無料ダウンロード可能なので興味のある方は是非元レポートをご覧いただきたい。
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中橋 義博1970年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学時代、月刊ASCII編集部でテクニカルライターとして働く。大学卒業後、国内生命保険会社本社において約6年間、保険支払業務システムの企画を担当。その後、ヤフー株式会社で約3年間、PCの検索サービス、モバイルディレクトリ検索サービスの立ち上げに携わる。同社退社後、オーバーチュア株式会社にてサービス立ち上げ前から1年半、サーチリスティングのエディトリアル、コンテントマッチ業務を担当する。2004年に世界初のモバイルリスティングを開始したサーチテリア株式会社を創業、同社代表取締役社長に就任。2011年にサーチテリア株式会社をGMOアドパートナーズ株式会社へ売却。GMOサーチテリア株式会社代表取締役社長、GMOモバイル株式会社取締役を歴任。2014年ロボットスタート株式会社を設立し、現在同社代表取締役社長。著書にダイヤモンド社「モバイルSEM―ケータイ・ビジネスの最先端マーケティング手法」がある。