
ロボット技術で世界をリードするボストン・ダイナミクスが、米国のスタートアップ「Kinema Systems」の買収を発表した。Kinema Systemsは昨年のGTC 2018で行なわれたAIスタートアップのコンテスト「NVIDIA Inception Awards」の決勝大会に出場し、自律型システム部門で見事優勝に輝いた注目のスタートアップだ。
同社は物流および製造業界向けに、ディープラーニングと3Dビジョンを活用した革新的なロボットソリューションを構築している。20kg以上の巨大なパレットを毎日運ばなければいけない倉庫内の物流作業において、人間の代わりに作業ができるロボットソリューションを開発した。アーム自体は他社のものを使用し、最適なピックアップを行なうためのソフトウェアを開発している。同社のシステムのコアはGPUを活用したディープラーニング。プログラミングの必要がなく、「やってくれ」と指示をするだけでロボット自身が状況を把握して自律的に動くようになるという。
こちらの動画は同社が4月2日に公開した動画だ。ロボットアームは、Kinema Systemsのピックテクノロジーと、ビジョンセンサーとディープラーニングソフトウェアを組み合わせ、箱をパレットからコンベヤーに移動したり、箱の上に積み重ねたりする。「NVIDIA Inception Awards」に登壇した際には、1時間に500個ものボックスを移動させることができると述べていた。
Kinema Systemsのチームは、ロジスティクス市場向けの高度なロボティクス製品の開発と販売、ならびにボストン・ダイナミクスのロボットに高度なディープラーニングやコンピュータビジョンを適用させていくことに焦点を当てるという。
ボストン・ダイナミクスは4月8日から4月11日にかけて開催される「PROMAT2019」に出展し、ライブデモを行なうとしている。
ボストンダイナミクス