凸版印刷は、経済産業省・国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(略称:NEDO)が2018年12月10日から12月21日に実施した「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」の実現に向けた実証実験において、株式会社ZMPと共同で進めている「CarriRo(キャリロ)AD」と「RFID」を組み合わせた無人物流支援ソリューションを使用し、棚卸・検品における省人化の効果を確認した事を発表した。
ZMPは無人物流支援ロボットCarriRoADを活用し、倉庫や工場内で無人での搬送を実現する取り組みを推進している。その一環として、凸版印刷と共同で、CarriRoADとRFIDを組み合わせた無人物流支援ソリューションの開発を進めている。
CarriRoADはジョイスティックによる操作ができるドライブモードと、ビーコン(発信機)を自動追従するカルガモモードを搭載し、自律移動機能を有した台車型物流支援ロボット。CarriRoADは単体で最大150kg、オプションの牽引治具を取り付けることで約300kgの荷物を運ぶことができ、倉庫や物流センター内のピッキング業務の効率化や、工場内の工程間搬送に利用することでベルトコンベアやAGV(無人搬送車)を代替することも可能。販売開始から累計100ユーザー以上の導入実績があり、自律移動による新たな付加価値により物流拠点や工場を始め、ホテルなどのサービス業界と様々な分野に導入が広がっている。
同実証実験では、電子タグが貼り付けされた段ボール・カゴ台車などをCarriRoADがけん引し、RFIDリーダーのゲートを通過させ、読み取り精度を検証。また、物流センターでは、段ボールを積載したカゴ台車は重量があるため、人力でけん引する際の負荷が課題となっていたが、CarriRoADに段ボール・カゴ台車などをけん引させることで、その課題を解決した。
さらに、実験では120kg以上の段ボールを積載したカゴ台車で500回以上の読み取りを完全に無人で実施し、段ボール・カゴ台車・番重などへの電子タグ貼り付け位置ガイドライン策定のための基礎実験データを取得した。加えて、人力でゲートを通過した時と比較して、無人で走行するCarriRoADがゲートを通過しても読取性能が変わらないことを確認したという。
今後、両社は同実証実験で使用されたCarriRoとRFIDの組み合わせによる省人化ソリューションを製造、物流業界へ拡販し、労働人口の減少による課題となっている労働力不足の解決を目指す。
CarriRoAD
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。