テレノイドを使った事業を行う株式会社テレノイドケアが7,500万の資金調達を実施
5月27日、株式会社テレノイドケア(本社:京都府相楽郡)が大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社(本社:大阪府吹田市)より7,500万円の資金調達を実施した。
テレノイドケアは2015年7月に設立。石黒浩教授(大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻・教授、ATRフェロー)が開発した小型遠隔操作型アンドロイド「テレノイド」を用い、認知症高齢者に対する心のケアを中心とした介護支援事業を行う会社。認知症高齢者に対する心のケアを中心とした介護支援事業を行う。
今回の資金調達により、量産モデルのテレノイドの開発や操作者のスキルをサポートするためのアプリケーション開発(観察記録、会話ナビ)を行う。
医療者と介護者の観察ポイントのギャップを埋め、高齢者と介護者の文化背景のギャップを埋めることでケアチーム全体のコミュニケーション支援となるサービスの開発を行っていく予定だ。
テレノイドの特長
テレノイドは、テレノイド内部に埋め込まれたカメラとマイクを使った遠隔操作により操作者の声や動きを相手に伝え、会話ができるアンドロイドロボットで、言語(音声通話)と非言語(ハグ)がミックスされている。石黒浩教授の研究により、人間の存在感を表現するため敢えてミニマムデザインとなっている。
これは、情報が足りないものを見た時に想像力で補おうとする人間の脳が持つ特性を活かしている。初見では違和感を持つが、会話を始めると数分で親しみを感じ、多くの人が受け入れることが分かっている。
テレノイドの認知症ケアへの応用
認知症高齢者はテレノイドとの対話を通じて小さな子供や親しい存在を想起し、積極的にコミュニケーションを図ろうとするため、介護者はテレノイドを介して認知症高齢者との対話を引き出すことが可能となる。これにより、認知症高齢者と介護者との意思疎通を支援できるため、認知症高齢者には不安感や孤独感の緩和になり、介護者には絶望感や焦燥感の緩和になる。また、介護運営者側は、会話の様子を観察・記録して複数の介護者で共有することで、個人の希望や残存能力に合わせた適切な支援を考え、計画の策定が可能となる。
株式会社テレノイドケアの事業
株式会社テレノイドケアは、高齢者と介護者のコミュニケーションにテレノイドを介在させることで、これまでとは質の異なるコミュニケーションを発生させ、認知症高齢者の生活をイノベーティブにしていくことを目指す。
介護者にとって自身のコミュニケーション能力を拡張するためのテクノロジーがテレノイドであり、また、認知症高齢者の心の状態を理解するためのテクノロジーでもある。独自の人材教育プログラムと組み合わせることで、心のケアに必要なノウハウやスキルを習得するための教育教材としてテレノイドを活用している。
※「テレノイド」「Telenoid」は、株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)の登録商標です。株式会社テレノイドケアはATRの使用許諾を得ています。
株式会社テレノイドケア
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北構 武憲本業はコミュニケーションロボットやVUI(Voice User Interface)デバイスに関するコンサルティング。主にハッカソン・アイデアソンやロボットが導入された現場への取材を行います。コミュニケーションロボットやVUIデバイスなどがどのように社会に浸透していくかに注目しています。