「調理ロボットサービス」を開発するコネクテッドロボティクス株式会社は、グローバル・ブレイン株式会社をリードインベスターとして、シリーズA投資ラ ウンド1における約8.5億円の資金調達を完了したことを7月3日に発表した。
シリーズAとは、商品・サービスを市場に送り出し、ビジネスモデルを確立する段階を指しており、今回の引受先は以下の通りだ。
グローバル・ブレイン株式会社が運営するグローバル・ブレイン7号投資事業有限責任組合、 ソニー株式会社のコーポレートベンチャーキャピタルである Sony Innovation Fund、 東京大学協創プラットフォーム開発株式会社運営の協創プラットフォーム開発1号投資事業有限責任組合、 500 Startups Japan、 三井不動産株式会社のコーポレートべンチャーファンド「31VENTURES Global Innovation Fund 1 号」
同社は、シードラウンド2(プロトタイプの企画や構築の段階)で既に約 1 億円の資金調達を完了。今回とあわせて総額約9.5億円の資金調達をおこなっており、今回の資金調達により、マーケティング強化による販路拡大と新ロボットおよび新ロボットサービスの開発を行うべく、優秀な人材の獲得と技術力強化による事業推進を大きく加速させていくと述べている。
事業・サービス概要と今後の展開
現在、国内の外食産業では人手不足がますます深刻化しており、調理の省力化や自動化が大きな課題となってきており、この課題に対して同社では「製造業でのロボット製品開発経験から培われてきたロボット制御のノウハウ」と「ディープラーニングを活用したセンシングと学習技術」の組み合わせでロボットを知能化し、キッチンで働く人々の仕事をサポートし、「働く人と食事をする人の両方に喜びを提供するロボットサービス」の開発を進めている。
ディープラーニングを活用してたこ焼きの調理具合を判定し、人間のように調理することができる自動たこ焼き調理ロボットサービス「Octo Chef」や、自動ソフトクリームロボットサービス 「レイタ」を既に販売している同社は、今後、自動食洗機ロボットサービス「Dish Washing System」やコンビニ向け「Hot Snack Robot」、 自動朝食調理ロボットサービス「Loraine」の製品化に向けて研究開発を加速させていくとのことだ。
■【動画】コネクテッドロボティクス ロボット概要2019
第三者割当増資引受先からのコメント
グローバル・ブレイン株式会社 代表取締役社長 百合本安彦氏
この度コネクテッドロボティクス社の高度な調理ロボット開発技術と高い市場性を評価し、出資を決定いたしました。飲食業界等が抱える人材不足に貢献すべく、同社の事業成長を支援していきたいと考えております。
Sony Innovation Fund シニアインベストメントマネージャー 北川純氏
コネクテッドロボティクス社は飲食業界における労働力不足という大きな社会課題の解決に向けて、経営 チームが有するテクノロジーと業界知見を合わせたハイブリッドモデルによる「地に足のついた」ソリューションを提供できるスタートアップであると認識しています。世界を目指す同社のさらなる成長と、飲 食業界に関わるステークホルダーの方々に対して画期的な体験がもたらされることを期待しております。
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社 パートナー 福島彰一郎氏、水本尚宏氏
近年、既存産業×テクノロジーで新規事業が次々と生まれていますが、コネクテッドロボティクス社は飲食産業×ロボット×AIと3つの要素が組み合わさったチャレンジングな会社です。この取り組みを東大など様々なアカデミアの知見を組み合わせて実現しようとするアプローチと、日本食を世界に届けるという 大きなビジョンに共感し、支援を決定致しました。
500 startups Japan マネージングパートナー 澤山陽平氏
コネクテッドロボティクス社の最初の投資家である私たちも、調理をロボットで革新する彼らのビジネスがこれほど早く立ち上がり始めていることに驚きを隠せません。今回加わっていただいた心強い投資家の方々と引き続き全力で応援していきます!
31VENTURES Global Innovation Fund ベンチャー共創事業部長 菅原昌氏
ららぽーとなどの商業施設では、飲食店舗などの人手不足が喫緊の課題となっております。コネクテッド ロボティクス社の開発する技術が課題先進国である日本にて開花し、世界中に展開されることを期待しサポートさせていただきます。