昨今の懸念事項となっている少子高齢化による慢性的な人手不足や賃金上昇等により、物流業界内において人手不足は日々深刻化しており、自動化技術を活用した省力化・省人化の推進は物流事業者にとっても喫緊の課題となっている。
このような状況下、チューリッヒ工科大学からスピンオフした大学発ベンチャーのRapyuta Robotics株式会社は日本通運株式会社と共に、柔軟性・汎用性の高い倉庫向け協働型ピッキングソリューション(AMR)を用いた実証実験を日本通運の国内物流拠点にて完了したと7月10日に発表した。
総作業時間等を計測して比較
この取り組みは、日本通運が実際に運営している物流センターで、ピッキング作業の効率化・生産性向上、作業者の負荷軽減を図ることを目的にRapyuta Roboticsと日本通運が2018年10月から今日まで、共同研究としてロボットの導入に向けた検証を行なってきたものだ。
今回の実証実験では、倉庫内のピッキングエリアにおいて人や物に干渉することなく可動するRapyuta Roboticsのロボットを使用。同一の出荷オーダーを用いて、人員のみで作業を行った場合とロボットを併用した場合の、歩数・移動距離・ピッキング終了までの総作業時間等を計測し、比較を行った。
【ロボットの特徴】
– 既存の倉庫で、レイアウトやマテハンを変更することなく導入が可能
– 自動走行で、複数台同時に導入することが可能で、作業量の増減にも柔軟に対応可能
– 作業者は、ピッキングした荷物を持ち運んだり、カートを押すことが不要
– ピッキング指示がロボットのモニターに映し出させるため、作業者はピッキングリストの所持が不要
– 既存の倉庫で、レイアウトやマテハンを変更することなく導入が可能
– 自動走行で、複数台同時に導入することが可能で、作業量の増減にも柔軟に対応可能
– 作業者は、ピッキングした荷物を持ち運んだり、カートを押すことが不要
– ピッキング指示がロボットのモニターに映し出させるため、作業者はピッキングリストの所持が不要
両社は、今回の実証実験により、人とロボットが安全に協働できることやロボットの利用によって作業時間が短縮されることが確認されたとしており、今後は、9月を目途に更なる実証実験を行い、評価・検証し、2019年度中に日本通運の既存倉庫への導入を目指すとしている。
なお、同ロボット(倉庫用ピッキングロボ AMR)に関しては、Rapyuta Robotics公式サイト内、製品ページにて近日公開予定となっている。