窓ガラスが携帯の基地局になる NTTドコモとAGCが「窓の基地局化」で携帯電話向けのサービスエリアを拡充
NTTドコモとAGCは、両社が共同開発した電波送受信が可能なガラスアンテナを都内のビル窓に設置して「窓の基地局化」を行い、4G LTE向け携帯電話向けのサービスエリア拡充を10月1日に開始したことを発表した。ドコモによると通常のスモールセル基地局と同等のエリア化(3600MHz~3700MHz,4500MHz~4600MHz)を確認しているという。(画像はガラスアンテナ施工のイメージ 実際には配線が必要になる:配線は下の写真を参照 画像提供:AGC株式会社)
既存窓に透明なガラスアンテナを設置
移動通信のトラヒック量が増大し、高トラヒックエリアにおいてスモールセル基地局用のアンテナ増設が必要とされるなか、建物の屋上や壁面は設置場所が限定されることや街の景観を損ねることが課題となっている。ドコモとAGCは、これに対応するため2018年11月に既存窓(室内側)の表面にガラスを貼り付けることで屋外をサービスエリア化することができるガラスアンテナを共同開発した。
ガラスアンテナは、既存窓に透明なガラスアンテナを設置するため、街の景観を損なわない。また、建物の内側から施工するため、足場設置や土台工事が不要。さらに、ガラスに近づくことによってガラスアンテナの性能が変わる影響を抑え、アンテナ本来の持つ性能を引き出す技術「Glass Interface Layer(グラス インターフェイス レイヤー)」の効果により、窓ガラスを通過した際の電波の減衰・反射を抑えてくれるという特徴を持つ。
5Gのアンテナ活用も視野に
両社は、今後商用サービスが開始される5Gのエリア構築にガラスアンテナを活用するため、5Gに対応したガラスアンテナの開発を行っている。
既存のアンテナ設置が難しかった場所での通信環境を改善し、よりきめ細やかな5Gエリアの構築にむけて取り組む。5Gガラスアンテナは2019年中に開発を完了し、2020年中のサービス開始を予定している。
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。