AIでエレベーターの待ち時間を最大20%低減 日立製作所と日立ビルシステム「FI-700」でイライラも解消?

エレベータがなかなか来ない時、イライラしますよね。
もう少しインテリジェントにできないものか、と感じたりもします。
AIが解決してくれるかもしれません。

AIの活用により、過去の膨大な運行データからエレベーターの利用人数(人流)を予測することで、昼食時などの混雑時の平均待ち時間を従来比で最大20%低減する技術を、日立製作所と日立ビルシステムが導入する。複数台のエレベーターの効率的な運行を実現する人流予測型エレベーター運行管理システム「FI-700」を開発。今後、詳細仕様の開発を進め、2020年4月に国内外で販売を開始する予定であることを発表した。(比較数値は2005年9月発売の将来予測知能群管理エレベーターシステム「FI-600」と比べたもの。また15階床の建物で、分速150mのエレベーター6台の運行管理を行う条件において低減する)
※冒頭の写真はイメージ


AIを活用して効率的な運行を実現

大規模な複合ビルなどでは、複数のエレベーターを効率よく分配して昇降するための運行管理システムが必要となる。日立は1972年に、業界初の即時予約システムを導入して以来、業界をリードしながら制御アルゴリズムの高度化を図り、高性能な運行管理システムを提供してきたという。

「FI-700」は一人ひとりの無意識の行動に寄り添った、快適な移動環境を提供することをめざして開発された次世代のエレベーター運行管理システム。各時間における各階でのエレベーターの呼びの発生タイミング、乗降者数をはじめとする過去の膨大な運行データをAIが解析し、各階での利用人数を予測することで、混雑が予想される階に集中的に分配するなど効率的な運行を実現する、としている。

また朝の出社時間帯などには、利用者が集中するエントランス階で自動的にエレベーターの呼びを登録する「自動登録運転」や、かご内カメラの映像から満員に近いと判断されるエレベーターは途中階で呼びが登録されても通過させる「満員時通過運転」など、ビルの利用者に快適な移動環境を提供する多様な運転モードを搭載。また、2005年9月に発売された予測知能群管理エレベーターシステム「FI-600」の2倍となる最大16台のエレベーターの制御を可能にしたことで、ビルごとに異なるニーズに対応。さらに、監視カメラなどのビル設備とのデータ連携が可能で、ユーザーとの協創により、ビル内移動のイノベーション創出を実現できるなどビルの高付加価値化にも貢献している。

同製品は、日立が2019年10月17日(木)~18日(金)に、東京国際フォーラムで開催する「Hitachi Social Innovation Forum 2019 TOKYO」で展示される。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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