全日空HD ANAアバターロボットがCEATECのブースに大集合!力触覚技術で調理、本物のCAとの会話、釣りロボットも登場!

ANAホールディングスは「日常生活にアバターがいる社会」を目指すことを発表し、独自開発のアバター(遠隔操作ロボット)を発表、さまざまなロボットを同様に動かすことができるプラットフォーム「avatar-in」(アバターイン)も来年4月にローンチする。関連記事「【速報】ANAがアバターロボット「newme」(ニューミー)を発表「瞬間移動」できる社会を提案 綾瀬はるかさんが体験」

本日より幕張メッセではじまった「CEARTEC 2019」には「Society 5.0」ゾーンが設けられ、その中のANAホールディングスのブースでは、いくつかのアバター(遠隔操作ロボット)が展示され、様々な現場で活躍するシーンが提案されている。





アバターロボット「newme」

アバターロボットのひとつがANAが独自に開発し、本日正式に発表された「newme」(ニューミー)だ。タブレット大の画面を備えて四輪で動く。


マイクとスピーカーを備え、主に移動しながら周囲の人とのコミュニケーションをはかることができるのが特徴だ。用途のひとつが家族とのコミュニケーションだ。自宅のリビングにnewmeを設置し、単身赴任先のお父さんがパソコンでアクセス。リビングをウロウロしながら家族とコミュニケーションをはかることができる。実証実験で使用しているANAのスタッフによると、スカイプなどを使ったスマホやタブレットでのコミュニケーションとは異なり、家族に自分の存在感が伝わってうれしいと言う。

「Society 5.0」ゾーンにはnewmeが複数台用意され、ゾーンの会場内をウロウロと移動しながら周囲の人と会話をしている。操作しているのはANAブースにいる一般の来場者たちだ。タブレットで簡単に操作できると好評だ。会場には歩行者優先通路ならぬ、アバター優先通路が用意され、ANAブースにいながらゾーン会場内を遠隔操作で動き回って見ることができる。





本物のCAと会話ができる

更にはnewmeを通してCAと会話できる体験コーナーも用意されている。普段は飛行機に乗って仕事をしているCAがnewmeの画面に現れて近付いてくる。参加者からは「オススメのフライト先は?」「時差ぼけの解消法を教えて」などの質問が出ていた。


■ ANAアバター「newme」でCAと会話できる




日本橋三越でアバターショッピング体験

日本橋三越の店舗にnewmeが設置されている。ANAブースからアクセスしてnewmeを通じて店舗内を歩いてショッピング。気になる商品があれば店舗のスタッフに行ってnewmeにかざして詳しく見せてもらうこともできる。





釣りアバター

展示されているアバターはnewmeだけではない。面白いのが釣りアバターだ。釣りアバターロボットは実際に大分県の釣り堀(イケス)に設置されていて、ANAブースにライブ中継。大分のスタッフがエサを付けた釣り糸をたれるとたちまちヒット。力触覚技術(リアルハプティクス技術)により、ANAブースで大物釣りの引きや醍醐味を実感覚のように体験できる。この日の午前中で既に約20人が遠隔の釣り体験で大魚を釣り上げているという。

ハイレゾ、シリンドリカルディスプレイに写し出されているのは、大分の釣り堀のライブ映像

目の前で女性が大物を釣り上げた。魚のアタリも引きも体験できる




Agilty Roboticsとの提携

この日、Agilty Roboticsとのパートナーシップ提携が発表され、それに合わせて同社が開発中の二足歩行型ロボットのアバターが展示されている。


このロボットもANAのアバター・プラットフォーム「avatar-in」に接続して動作させることができる。ANAは今回の提携について次のようにコメントしている。

ANAホールディングス株式会社(以下ANAHD)は、二足歩行の自立型ロボットの技術を持つ米オレゴン州立大学発のスタートアップAgility Roboticsとパートナーシップ提携を結びました。今後、双方の技術を活用した屋外型アバターロボットの共同開発に向けた実証を行います。

Agility Roboticsが開発する自立走行ロボットは二足歩行型で上半身と両腕をそなえ、階段の昇降や、歩行経路の選択を行うなど高度な行動ができることに加えて、両腕で荷物を運ぶこともでき、屋外での活躍が期待されています。屋外型アバターロボット開発にあたって、両者のビジョンが一致したことから、このロボットをベースにANAHDが開発しているアバターのコア技術(視覚電送システム)を活用し、屋外型アバターロボットとしての実用化を目指します。

この屋外型アバターロボットにアバターインすることで(https://avatarin.com/Opens in a new window)、人間が行けるところはすべてアバターロボットで行けるようになり、屋外や整備されていない山での利用はもちろん、観光旅行やエンターテイメント、警備やレスキューなどの様々な分野で活用が可能です。
ANAHDでは、2020年以降、随時実証実験を行い、2021年での社会実装に向けて、屋外型アバターロボットのサービス化を目指します。




力触覚技術を使って遠隔操作で調理も

ユニバーサルロボットの協働ロボットと力触覚技術を組み合わせた、遠隔操作のデモも実施。力触覚(リアルハプティクス)技術を活用したグローブを装着した操縦者が動くとおりにロボットが動作し、指先まで同じ動きをしていた。


重ねたコップを取り分けたり、ピラミッド状に積み上げたり、薄いコースターをとったりと、遠隔操作でも繊細な作業ができることをアピールした。柔らかいフルーツなどを潰さないように優しく持つこともできる。これには指先の触覚センサーが有効で、つかんだものの柔らかさを実感することができる。



■動画 ANAアバター 調理ロボット

このときは行われなかったが、包丁などを使った調理も可能だという。会場に行く人はチェックしてみることをオススメしたい。




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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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