2019年10月15日、Googleが毎秋恒例のハードウェア発表イベント「Made by Google」をニューヨークで開催した。
発表された新しいデバイスやサービスを以下まとめて紹介する。
Google Nest Mini
まず噂されていたGoogle Home Miniの第2世代モデルが名称をNest Miniに変えて登場した。Google Home Miniと見た目は変わらず、低音の出力は倍増、聞き取り能力の向上、ハードウェアの高速化により基本的な機能をローカルで処理することで応答時間を大幅に短縮したという。コンテンツ再生中にNest Miniに手を近づけるとLEDライトが点灯し、タップして音量を調整できる場所を示す機能や、周りの騒音に合わせてボリュームを自動調整する機能なども新搭載された。また底面に壁掛け用のフックがついたことも特徴。噂されていた3.5mmオーディオジャックは搭載されなかった。
価格は49ドル。10月22日発売。
Google Nest WiFi
Wifiメッシュルーターの基本性能を向上させた新製品。ネットワークに直接接続するNest Wifiルーターと、必要な場所に設置するNest Wifiポイントを組み合わせて使う。Nest WifiポイントにはGoogle Assistantが搭載され、スマートホームデバイスのコントロールなどが可能になる。最小構成でも3,800平方フィートの家をWiFiをカバーできるという。
価格は2パック269ドル、3パック349ドル。11月4日発売。2019年に8つの世界市場で利用可能になる。
Google Pixel Buds
Pixel Budsの新型が登場した。以前のモデルは左右がワイヤーでつながっていたが、今回は完全ワイヤレスイヤホンとなった。またGoogle Assistantをタップではなく、ハンズフリーで起動可能となったのも新機能となっている。適度な環境音が入るようイヤーチップに通気孔を持たせた設計だという。またマイクが環境音を聞き取ってボリュームを自動的に調整するアダプティブサウンド機能も搭載された。バッテリーは5時間駆動、充電ケース利用で24時間使える。カラーはClearly White、Oh So Orange、Quite Mint、Almost Blackの4色展開。
価格は179.99ドル。2020年春に発売予定。
Google Pixel 4
Googleによる最新スマートフォンも発表された。今回の発表会では主役の製品だ。Soliレーダーチップを搭載し、手をかざすことで簡単な操作ができる「Motion Sense」と呼ぶジェスチャーに対応。Google Assistantもクラウドにアクセスせずにローカルで作業する仕組みや、音声録音データの検索機能などの改良が行われた。カラーはClearly White、Just Black、限定版のOh So Orangeの3色展開。
価格はPixel 4が799ドル、Pixel 4 XLが899ドル。10月24日に全世界で発売。
Google Pixelbook Go
13.3インチディスプレイ搭載の新型Chrome OS搭載フラッグシップノートパソコンも発表された。筐体がマグネシウム合金で重量はおよそ1kg。カラーはブラックとピンクの2色展開。
価格は649ドルから。アメリカとカナダで予約開始。
Google Nest Aware
こちらはデバイスではなく、Nestデバイスのカメラ映像や音などからイベント検知するクラウドサービス。セキュリティモードにおいて、例えば煙探知機の警報や犬が吠え声が検知されるとユーザーに通知してくれる。これまではセキュリティカメラごとに料金が発生していたが、すべてのデバイスでの利用を一本化して低価格のサブスクリプションサービスとして提供される。
価格は月額6ドルのNest Aware(30日間のイベント履歴)と月額12ドルのNest Aware Plus(60日間のイベント履歴と10日間の24時間ビデオ履歴)がある。
Google Stadia
Googleによるゲームサービス、Stadiaにも新しい動きがあった。Stadia Founder’s Editionは11月19日に出荷されることが明らかとなった。11月19日の午前9時からRedDead Redemption 2、Mortal Kombat 11、Kineなどのゲームがテレビ、ラップトップ、デスクトップ、タブレットとスマートフォンなどでプレイできる。日本での発表はいまだないのが残念ではある。
今回のMade by Googleで発表されたデバイス、サービスの紹介は以上となる。 先月行われた「Amazon Devices Event」での新製品発表に比べると若干地味な印象ではあるが、完全ワイヤレスイヤホンとなったGoogle Pixel Buds、基本性能を上げたGoogle Nest Mini、WiFiルーターにスマートスピーカーを組み込んだGogole Nest WifiなどはGoogleファンには朗報だろう。後は日本での展開が気になるところだ。
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中橋 義博1970年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学時代、月刊ASCII編集部でテクニカルライターとして働く。大学卒業後、国内生命保険会社本社において約6年間、保険支払業務システムの企画を担当。その後、ヤフー株式会社で約3年間、PCの検索サービス、モバイルディレクトリ検索サービスの立ち上げに携わる。同社退社後、オーバーチュア株式会社にてサービス立ち上げ前から1年半、サーチリスティングのエディトリアル、コンテントマッチ業務を担当する。2004年に世界初のモバイルリスティングを開始したサーチテリア株式会社を創業、同社代表取締役社長に就任。2011年にサーチテリア株式会社をGMOアドパートナーズ株式会社へ売却。GMOサーチテリア株式会社代表取締役社長、GMOモバイル株式会社取締役を歴任。2014年ロボットスタート株式会社を設立し、現在同社代表取締役社長。著書にダイヤモンド社「モバイルSEM―ケータイ・ビジネスの最先端マーケティング手法」がある。