JALとWHILLが羽田空港で自動運転対応の電動車椅子を試験走  JALグループ便の利用客ら体験可能

WHILL、日本航空、日本空港ビルデングの3社は、空港を利用する全てのユーザーにシームレスな移動を提供することを目的に、羽田空港で電動車椅子の自動運転の試験走行を実施することを発表した。今回の試験走行は、自動運転パーソナルモビリティ(次世代型電動車椅子)の共同プロジェクト。3社は、2020年度中の空港における自動運転パーソナルモビリティの商業化・実用化を目指していく。


自動運転の試験走行は、JALグループ便に搭乗した利用者が対象

試験走行で運用する自動運転システムは、WHILLが開発するデザイン性と走破性に優れたパーソナルモビリティに自動運転・自動停止機能などを搭載した「WHILL自動運転モデル」に、複数の機体を管理・運用するシステムから構成されている。搭載したセンサー群で周囲の状況を検知して、自動停止を行うとともに、あらかじめ収集した地図情報と、センサー群で検知した周囲の状況を照らし合わせ、自動走行を行う。空港をはじめ、駅、商業施設などの大型施設での利用を視野に入れているという。



試験走行はJALグループ便に搭乗した利用者が対象で、車椅子の利用を希望する人や、長距離の歩行に不安を感じる(車椅子の利用者を含む)、かつ自動運転パーソナルモビリティの乗車を希望する人に対して提供するという。

試験走行の実施期間は2019年11月2日~11月3日の2日間。羽田空港第1ターミナル南ウイング(3-9番搭乗口とコンコース間)で実施される。

今後、WHILL、JAL、日本空港ビルデングの3社は、2020年度中の空港における自動運転パーソナルモビリティの商業化・実用化を目指していく。またWHILLとJALは、自宅から空港、そして目的地までをシームレスに結びつける新たな移動体験の創出に向け、これからも連携してチャレンジを続けていくとしている。


3社の背景

WHILLは、「すべての人の移動を楽しくスマートにする」をミッションとして、パーソナルモビリティの開発・販売および歩道・室内領域における自動運転システムの開発を行っている。同社はMaaS事業を事業の柱の一つとして位置づけ、障害の有無や年齢に関わらず、だれもが楽しく安全に乗れる一人乗りのモビリティおよび、自動運転システムの提供によって、既存の交通機関を降りてから目的地までの「ラストワンマイル」の移動の最適化を行うことを目指している。

WHILLがイメージする、少し先の未来の移動のスタイル

JALは、将来の成長戦略として策定した「JAL Vision」の中で、すべての利用者にストレスフリーを実現するために、空港内を待ち時間なくシームレスに移動できる「JAL SMART AIRPORT」を目指している。同時に、自宅から目的地までをシームレスかつストレスフリーに移動できる環境を構築し、旅先での滞在体験をより豊かにすべく、MaaS(Mobility as a Service)の社会実装に向けた取り組みも強化している。


「JAL SMART AIRPORT」を目指してターミナル内の改修工事を実施中。画像は出発ロビーのイメージ。2020年夏に全面オープンを予定。

日本空港ビルデングは、ロボットの社会実装を促進するため、2016年に官民連携で開設した「Haneda Robotics Lab」の実証実験プロジェクトの中でWHILLを採択し、導入を目指した取り組みを行ってきた。同社は「Haneda Robotics Lab」の活動を通じて、空港利用者に対する安全・安心・便利を前提とした良質なサービスを提供し、「世界に先駆けた、空港におけるロボット技術活用の未来像」の創出を目指していく。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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