【日本初】商標調査対決「AI vs 弁理士」イベントでAIと弁理士が接戦!AIは3戦中で1勝ながら
「AI(人工知能)が人の仕事を奪う」と話題になることが多いが、AIは弁理士の仕事まで奪ってしまうのだろうか。
東京カルチャーカルチャー(渋谷)にて「商標調査対決 AI vs 弁理士 」イベントが開催され、現役弁理士3人が3つのステージで商標登録サービス「Toreru」(トレル)に商標調査対決を挑んだ(2019年10月10日)。
その結果、20問中13問正解させたAIに対し、14問で正解した弁理士の勝利となった。なお、AIが勝利したステージは、実際に出願された商標とその商品・サービスを提示し、特徴があるかどうか(識別力)を判断する「識別力対決」だった。
多くの人に知的財産について興味を持ってもらいたい
同イベントは、株式会社Toreruが、弁護士ドットコム株式会社クラウドサイン事業部、イッツ・コミュニケーションズ株式会社と共催したものだ。知的財産をエンターテイメント化し、より多くの人に知的財産について興味を持ってもらうきっかけとしたいというToreru 代表である宮崎氏の発案で、観客参加型イベントとして開催。当日は100人を超える観客がオンラインでゲームに参加した。
(※冒頭の画像はイッツ・コミュニケーションズ株式会社運営のイベントハウス「東京カルチャーカルチャー」公式サイトより)
同イベントの概要
商標登録の Toreru が開発した最新のAIと現役の弁理士3名が「画像商標対決」「類否判断対決」「識別力対決」の3つのステージで対決する。観客参加型イベントで、観客もリアルタイムにスマホやPCから出演者と同じ問題に挑戦することができ、最も正答率の高い人には、豪華景品が贈られる。
▼ 試合ルール
o実際に出願された画像商標1つに対し、最も似ている画像を見つけてくる。(制限時間10分)
o特許庁の審査官が似ていると判断した画像が含まれていれば勝利。
■2nd Stage「類否判断対決」
o実際に出題された商標を2つ提示し、それが似ているかどうか(類否)を判断する。(お題10問、制限時間10分)
o正答率が高い方が勝利。
■3rd Stage「識別力対決」
o実際に出願された商標とその商品・サービスを提示し、特徴があるかどうか(識別力)を判断する。(お題10問、制限時間10分)
o正答率が高い方が勝利。
▼ 試合結果
弁理士が勝利。弁理士がウィーン分類(図形に付されたタグ)で画像調査をおこなうのに対し、Toreru は自社が開発した「Toreru 商標検索」を使用し図形商標を検索。その候補の中に正解が含まれていたものの、正解を選び出すことができなかった。
■2nd Stage「類否判断対決」
弁理士が1点差でAIに勝利。(AI 6 – 7 弁理士) 開発段階でのAIの類否判断の正答率は6~7割であり、弁理士がそれを上回るものとなった。
■3rd Stage「識別力対決」
AIが1点差で弁理士に勝利。(AI 7 – 6 弁理士) 開発段階でAIの識別力の正答率は6~7割であったため、期待通りの結果となった。
同社は、現段階のAIの精度は完ぺきではないものの、回答を導き出す速さ、安定した正答率は評価すべきものだと言え、弁理士がツールとしてAIを使うことで、商標調査の精度を飛躍的に高めることが期待でき、AIの精度はデータの収集と開発次第で高めていくことで、次回の対決までにさらに精度の高いAIを開発する予定であると述べている。
株式会社Toreru