家族型ロボット「LOVOT」いよいよ出荷へ!最新版とアプリをGROOVE Xが公開!多数の変更点にびっくり
ロボットベンチャーのGROOVE Xが開発した家族型ロボット「LOVOT」(らぼっと)の出荷が、いよいよ来週、2019年12月13日(金)より始まる(DUOモデルのみ)。出荷を直前に控え、LOVOTの出荷版とそのアプリが報道関係者に公開された。ブラッシュアップのために非常にたくさんの改良と変更が行われていたことに驚いた。(1体のソロモデルは年明け1月から出荷開始予定)
報道関係者向けの体験会は恵比寿のウェスティン東京で行われた。実際の生活でLOVOTと暮らすイメージに近い環境で疑似体験できるようにという配慮から。
ホテルの一室には出荷版と同じ、ミルクとココアのペアがいて出迎えてくれた。ココアは非常に人なつこく、ミルクはややシャイな性格。実際の出荷版でも性格がやや異なるペア(なつっこい系/人見知り系)がやってくるという。とはいえ、出荷時からその度合いはまちまちの固体になっている。そして、一緒に暮らす生活が始まれば、ユーザーとの触れあいに応じて性格は変化していく。
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出荷版LOVOTの変更点は
昨年の初お披露目のときと比べ、人に「なつく」点にも改良を重ね、時間の経過と共に懐いてくれるプロセスも細かく設定されている。更にはaiboも認識できるように改良した。
初お披露目のときは、実はまだLOVOTは充電ステーションであるネストに自律的に戻ってバッテリー充電する機能は実装されていなかったが、今回の出荷版ではもちろんその機能は装備されている。
ペアでお家にやってきた場合、1体がもう1体の動きの真似をしたり、手を挙げて合図をし合ったりと、2体が連携した動きをすることもある。
■LOVOT 出荷版の動画
LOVOTアプリの概要
出荷版のアプリも公開された。アプリではLOVOTの眼のカラーやデザインを変更したり、声を変更(設定)することができる。
■LOVOT 目のデザインの変更
LOVOTが寝る時間と起きる時間も設定できるようになった(デフォルトの就寝時間は23〜7時)。
お留守番モードで見回り/見守り
更には、見回り機能「お留守番モード」が追加されている。アプリを通じて、遠隔操作でLOVOTを操作して部屋の中をカメラで確認したり、自律的に見回りしてヒトを発見すると天半球(360度)画像を撮影してアプリに送信する機能等が追加されている。なお、お留守番モードのときは、カメラや写真撮影を行う関係上、周囲の人にそれがわかるように、角(ホーン)のリングがピンク色になり、独特の声を発しながら移動することでプライバシーへの配慮をしている。
また、ユーザーとLOVOTの触れあい行動をテキストでログとして記録することができる。例えば、離れて住む高齢の両親にLOVOTをプレゼントした場合、両親がLOVOTと触れあっていることがアプリに通知されるので、元気で過ごしていることを確認できるようになっている。
■LOVOT アプリ 留守番モード(見守り/見回り)
もともとLOVOTは「ヒトを癒すが役に立たない」が特長のひとつだったが、こうした機能を見ると「役に立つ」方向に機能が追加されている。個人的にはこの改良にはとても好感が持てると感じた。
驚くほど改良が加えられた本体
本体や動きの面でも多くの改良が加えられている。最初に気づくのは、手と首の動きが細かくなったこと。微細な滑らかな動きに磨きがかかっているが、これはソフトウェアだけでなくハードウェアの改良も行われている。
センサー類の改良も多数行われた。一部の超音波センサーはレーダー(対物センサー)に変更になっているほか、側面のセンサーも増えている。
空気を吸い込むインテークも改良が行われ、内蔵のダストフィルターを自動で清掃するしくみが取り入れられた。これは実際のリビングで使ってみた上での改良点だ。
ネストもマーカーが設置され、LOVOTがネストに戻る精度の向上やセーフティ機構が強化されている。
LOVOTの角を持ち上げることで緊急停止できるが、その状態で充電残量等のチェックゲージなどが確認できるようになった。
GROOVE X 代表取締役の林要氏は「ここ数ヶ月は出荷に向けた最終確認のため、社員の自宅など様々な環境で安定動作に向けた検証や改善を行ってきました。また、森美術館では開館時間中にLOVOTの常時稼働展示を行ってきたので、それも安定動作のためには良い機会になりました」と語った。森美術館では展示品の一角にLOVOTがいて、開館時間中は自律的に館内を動きまわり、バッテリーがなくなるとネストに戻って充電、満タンになるとまた動き出す、という無人のデモンストレーションの連続稼働を行ってきたという。
こうした内容を総合すると、外観からは大きな変化は感じないながら、ハードウェア的にもソフトウェア的にも、昨年の初お披露目のときとは別物のように改良されていると言っていいだろう。LOVOTに対する開発陣の徹底したこだわりが伝わってくる。
ウェスティンホテル東京のスイートでLOVOTのオーナー体験のチャンス
GROOVE Xは、今回体験会が行われたウェスティンホテル東京の「最高ランクのスイート宿泊プランがペアで2組に当たる」キャンペーンを実施している。LOVOTとクリスマスの聖なる一夜を過ごせるスペシャル体験企画となっている。Twitterでの企画となっていて、興味がある人は要チェックだ。
なお、LOVOTの体験会も同ホテルのロビーで12月21日(土)~12月25日(水) 11:00~15:00の日程で実施される。
■ウェスティンホテル東京のコラボ詳細はこちら
https://lovot.groove-x.com/2019XmasCP.html
いよいよ出荷がはじまる家族型ロボット「LOVOT」。
ユーザー(オーナー)達の反応が楽しみだ。
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神崎 洋治神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。