オンキヨー、ネックスピーカー型デバイスの対話音声取得システムを開発 作業中の装着者と相手の音声を取得
オンキヨー株式会社は、ウエアラブル端末を使用した、AIアプリケーションをより簡単に活用できるシステムとして、ネックスピーカー型の音声入力デバイスの開発を進めている。
AIの進化により、音声を使ったデータ入力のニーズは今後大きく広がっていくと考えられており、ハンズフリーで使用でき、耳を塞がないため、周囲の音を聞きながら音声の入力を行うような現場での活用に適しているネックスピーカーは、チャットボットとの対話形式で音声入力を行うなど、様々な現場での応用が期待されている。同社は、ネックスピーカー型デバイスを使って対話の音声を取得してテキスト化するシステムを開発したことを12月6日に発表した。(※冒頭の右側の画像は、プロトタイプのAI ウェアラブル端末)
同システムの特徴
今回開発した対話音声取得システムでは、オンキヨーがAI対応スマートスピーカーの開発で培った音声取得技術を活かし、ネックスピーカーを装着した本人の音声だけでなく、話し相手の音声も取得して、会話をテキスト化する。
従来の音声取得機器やシステムの多くは装着者の声を取得することはできたが、話し相手の音声を取得するのに適してはいなかった。同システムでは、装着者の音声に加え、相手の音声を取得するための専用のマイク設計と音声処理を行う事で装着者と話し相手の両方の音声の取得が可能になった。また、複数のネックスピーカーを接続し、各ネックスピーカーで取得した対話音声のテキスト化と同時に、音声と位置情報をサーバーに記録出来るため、会話をデータ化して解析などに利用する事ができる。
例えば複数の場所で話をされている対話データの解析から起きている事象のトレンドを把握したり、対話記録をもとにキーワードなどの紐付を行う事で指導者や熟練者などのナレッジをデータベース化するなどの応用が考えられる。
同システムをスマート農業推進へ活用
ウエアラブルでハンズフリー使用ができ、装着者と対話者の音声が取得できる同システムは、農業現場や製造現場での指導記録や作業記録、医療現場、介護現場での対話記録など、様々な分野での活用も可能であるといえる。
これを証明するため、ロボット技術やICTを農業に活用するさまざまな「スマート農業」への取り組みが進められているものの、屋外で作業が多く、かつ、高齢化が進む中で作業記録のデータ入力などが困難でデジタル化やデータベース化が進んでいない農業分野にて、同社は株式会社日立システムズ、株式会社ソフトビルと共に、「作業記録のデータ入力負担軽減、ナレッジのデータベース化などを実現するサービス」をめざし、JAおきなわ中部地区(沖縄県沖縄市)にて、スマート農業の推進を目的とした音声入力システムの実証実験を来年の1月から3月まで実施する。
具体的には、農業指導員がネックスピーカー型デバイスを装着し、担当農家との会話内容を音声情報として取得。自動的にテキスト化した後、農作物の育成状況や育成ノウハウに関する部分をデータベースに登録することで、農業現場における音声によるデータ取得の可能性、音声入力の実用性、デバイスの装着負荷、システムの使用負荷等を確認するというものだ。
同実験における各社の役割
日立システムズ | 企画から実施、課題抽出などの取りまとめを担当 |
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ソフトビル | 農業向けに特化して開発した業務改善プラットフォーム「FarmBOX(ファームボックス)」の提供 |
オンキヨー | ハンズフリーのネックスピーカー型デバイスを含む「対話音声テキスト化システム」を提供 |
3社は、同実験を通じて、特定の地域や現場に限らず利用可能な音声入力システムの構築により、農業分野におけるデータ入力作業負担の軽減や作業記録のデジタル化、ナレッジのデータベース化による収穫予想の精度を向上させ、市場価格の安定化と産地全体の生産量安定化の実現をめざすとしている。
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オンキヨー株式会社