近年、サービス業や流通業などで労働力不足が深刻化しており、ロボットによる代替のニーズはますます高まっているが、従来のサービスロボットは単機能に特化したものが多く、活用時間帯が限られるため、稼働率が低いことが課題となっていた。そのような中、オムロン株式会社のグループ会社として社会システム事業を担うオムロン ソーシアルソリューションズ株式会社(OSS)は、清掃・警備・案内に対応する「複合型サービスロボット」を開発、2020年5月より提供を開始することを発表した。
大型のディスプレイを備えている。掃除や案内の専用ロボットと比較して、複合型は1台のロボットを時間帯別に有効活用できる利点がある。例えば昼間は案内に、夜間は掃除ロボットとして活用するなど。
同ロボットは、2019年12月18日(水)~21日(土)に東京ビッグサイトで開催される「2019国際ロボット展」(OSSブース:南ホール3,4 S4-18)への初出展を予定している。
■【動画】複合型サービスロボット ダイジェストVer
同社は、1967年に世界初の無人駅システムを実現して以来、鉄道業界において駅務機器システムや遠隔監視サービス、安全システムなど駅運営に携わるシステムを提供、運用サポートを行っており、2018年からは駅業務のオートメーション化に向けた「自律走行の警備ロボット」や、「音声対話型AI搭載の駅案内ロボット」の開発を手掛けている。今後は、これらの開発を通じて培った技術を「複合型サービスロボット」を皮切りに、様々な生活サービスのオートメーション化を図っていくとのことだ。
昼夜を問わず連続稼働
同ロボットは、自動充電機能を搭載しており、作業が滞ることなく、昼夜を問わず連続稼働することが可能。また、人や障害物を自動で回避できるため、施設内を人が行き交う時間帯の稼働もできる。たとえば小売店舗では、人の少ない午前中に清掃、夜間は店内の巡回警備を行ない、日中の混雑時間帯には本体前面のディスプレイでお客様に情報などを告知することが可能となる。
▼ 機能
【警備】施設内の巡視:内蔵カメラで周囲の映像を遠隔で確認可能。本体に搭載したスピーカーとマイクを通じ、倒れている人や不審者に対して遠隔で声掛けができる。
【案内】コンテンツの案内:前面に搭載したモニター、スピーカーを活用することで、動画などのコンテンツを再生可能
▼ 主な特長
ロボットが移動する地図とルートは、ロボットを手押しして簡単に設定可能。バッテリー残量はロボット自身が判断し、バッテリーが残り少なくなると自動的に充電ステーションに戻り、充電を開始する。また、クラウド機能により、エリア管理者や現場責任者は、ロボットの稼働状態、稼働エリアや稼働時間などの運用設定、カメラ映像の確認やロボットの移動指示を遠隔で行える。
● 安全:安全性に関する国際規格(ISO13482)に準拠
サービスロボットの安全性に関する国際規格(ISO13482)に準拠し、人とロボットが安全・安心に同じ空間で共存できる。
● 安心:充実のサポート体制
全国約140か所の拠点を活用したサポート体制で、安定稼働はもちろん、ユーザーの様々な課題にワンストップで対応可能。
▼ 主な仕様
サイズ | 幅500×奥行790×高さ871㎜(突起部を除く) |
---|---|
重量 | 約85kg |
使用電池 | 充電式リチウムイオン電池(35Ah)(オプション:70Ah) |
ルート設定 | ティーチング方式 |
清掃方式 | 除塵型 |
カメラ機能 | 前方固定カメラ(オプション:PTZカメラ搭載可能) |
ディスプレイ | 21.5型LCD |