GreyOrange、倉庫のフルフィルメントを最適化 棚ごと運ぶRanger GTP、移動仕分けRanger Mobile Sorter、運用システムGrayMatter

GreyOrangeは倉庫、フルフィルメント センター、配送センターの高度なロボット倉庫自動化システムを設計・製造・配備するグローバル企業だ。倉庫等で利用される運搬ロボットで知られ、棚ごと運ぶ方式のものだ。特徴はそれだけでなく、倉庫の自動化運用の最適化をはかるソフトウェア「GrayMatter」も開発している。
同社は、自動運搬ロボットと「GrayMatter」を組み合わせて一体化したフルフィルメント オペレーティングシステムをこの度更新し、最新版を12月11日に発表した。


商品の受注から発送までの業務全般を最適化

フルフィルメント オペレーティングシステムは、オムニチャネルおよびeコマースのニーズを持つ企業のフルフィルメントを最適化し、各店舗のレイアウトに応じて補充注文を梱包することで店舗の効率を上げる。

フルフィルメントとは
フルフィルメントとは、通販やECサイトでユーザーが商品を注文してから、手元に届くまでに発生する業務全体。

RangerロボットはGreyMatterソフトウェアと連携して開発されており、機械学習を使用してリアルタイムの観測に基づいて意思決定と動作を調整する。


複数台のRanger GTP(旧Butler)はぶつからずに同時に運搬作業をこなす



さらにmaximum-lifeエンジニアリングにより、すべてのRangerロボットが長寿命で、オーダーを処理するごとに学び続ける技術を備えている。この技術はロボットとGreyMatterの中央システム間の通信にも組み込まれており、システム全体が学習し続けることができる。

■GreyOrange社のロボット ラインナップ
Ranger GTP (旧Butler):220から3,500ポンド(99.88から1,589キログラム)の在庫商品を、ピッキングと梱包の作業員まで運ぶG2Pロボット(Goods to Person)

Ranger Picking (旧PickPal):G2P (Goods to Person) ロボットと連携して注文のピッキングを支援したり、有人/無人の倉庫で自律的に注文をピッキングするように設計されたピッキング・ロボット

Ranger Mobile Sorter (旧Flexo):フリート単位で動作し、荷物の受け取りから発送まで効率的かつスムーズに移動し、特に物流量のピーク時に発生し得る仕分けのボトルネックを回避する移動仕分けロボット

RangerロボットにはGreyMatterインテリジェンスが学習レイヤーとして組み込まれており、ロボットは注文パターンおよびフルフィルメント予測の変動に伴い、物流センター内部と外部の両方でリアルタイムで起きる変化に適応。実際のフルフィルメントスピード、利用可能なリソース、残り時間などリアルタイムのなどの要因に基づき、オーダーフルフィルメント優先度と在庫動向パターンを常時再計算する。

また、GreyMatterとRangerロボットシリーズに多数の適応学習、自己学習、協調的な意思決定、分析機能の強化を追加することによって、プロセスやテクノロジーをよりインテリジェントに結び付け、スループット、スピード、規模、精度、効率のためフルフィルメントを最新化することができる。


優先順位に基づいて下された決定を実行する

GreyMatterの拡張機能の多くは、エレベーターを使用して複数のフロアないしは中2階にある在庫ラックからの取り出し・格納を含め、移動式ロボットが物通センター内で大規模に作業できるデータパターン インテリジェンスと能力に重点が置かれている。


複数階を移動


また、在庫の場所、注文、出荷予定日、コストインパクト、収益予測、確保できる労働力や時間、ロボット群を常に考慮にいれながら、優先順位が高い大規模なオーダーフルフィルメントを予測的かつリアルタイムに強化。さらに、一連のロボットが自動に、あるいは人と一緒に物通センター内を移動し、適切な在庫が適切なタイミングで適切な場所に配置され、スピードと物流のピーク時でも優先順位に基づいて下された決定を実行する。GreyOrangeはこの結果をハイイールド フルフィルメント(高収率フルフィルメント)と呼ぶ。

GreyOrangeのCEOであるサマイ・コリ氏は次のように述べている。


■GreyOrange CEO サマイ・コリ氏
「多くの企業は、週2、3回あるいは毎日、店舗に商品を補充せねばならず、即日または翌日配送の要望に応えようと努力しています。Amazonが顧客全体の期待を急激に上げたことで、新たな戦いが始まりましたが、ほかの企業は、それ以前に開発されたソフトウェアとハードウェアを使用して最新のフルフィルメントの要求に応えようとしているのです。同一のインテリジェンスを使用して開発されたソフトウェアとロボットが最新のフルフィルメント オペレーティングシステムに必要であるという考えは、GreyOrange固有のものであり、最新のフルフィルメント課題に対処するために特別に開発された唯一のソリューションとなっています。」


関連サイト
GreyOrange

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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