食器洗いロボットの実用化を加速 コネクテッドロボティクスがNEDOの支援で食器を見分ける画像認識システムの精度向上へ

食器洗いにロボットアームを活用する。
コネクテッドロボティクスがNEDOの助成金交付支援のもとロボット食洗サービスの進化を加速する。食器を洗い前の雑然とした環境でも、食器を正確に見分けるため、ソフトウェア上での3Dシミュレーション技術を活用する。

「調理ロボットサービス」を開発するコネクテッドロボティクスは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施した2019年度「研究開発型ベンチャー支援事業/シード期の研究開発型ベンチャーに対する事業化支援」(最大補助金額:7,000万円)の公募において採択企業に選出されたことを発表した。


食器洗い前の画像認識を高精度にするための研究開発

同事業に採択されたことで、コネクテッドロボティクスはNEDOの支援体制のもと、事業を推進するための研究開発費用の補助金支援を受けることができる。同社はこの補助金支援を活用し、ロボット食洗サービスの研究開発を推進させる(助成事業の名称:食器洗浄ロボットシステム向けSim-to-Real系の構築)。

Food System Solution2019で展示された2種類のロボット食洗システム

ロボット食洗サービスの実用化において、ロボットは飲食店のキッチンで想定されうる様々なノイズ(キッチン内の光や影、反射による光量の違いやお皿の汚れなど)のある環境下で、適切に且つ精度高く対象物を認識する必要がある。



現行のロボット食洗サービスでは、各食器に対し適切な画像認識をさせるために実際の対象物を用い、様々なノイズ環境を再現しひとつずつロボットに認識をさせる必要があり、そのために膨大な時間がかかっていた。しかし、ソフトウェア上での3Dシミュレーション技術の研究開発を進めることで、高速かつ精度高く現実の環境に近い多様な模擬環境をつくりだすことができるようになる。

同社はこの研究開発を通して、ロボットの学習時間が削減され、光や汚れなどの外乱に強く、且つ未知の食器が来ても位置姿勢、種類が識別できる高度な画像認識技術の実現を目指すことで、実用化に向けた開発スピードを加速させるとしている。


飲食店のキッチンを各種ロボットで自動化する草分け

コネクテッドロボティクスは、「調理をロボットで革新する」をテーマに、飲食店のキッチンでの調理に特化したロボットサービスの提供を行う企業。

現在、国内の外食産業では人手不足がますます深刻化しており、調理の省力化や自動化が大きな課題となってきている。同社はその課題に対し、「製造業でのロボット製品開発経験から培われてきたロボット制御のノウハウ」と「ディープラーニングを活用したセンシングと学習技術」の組み合わせでロボットを知能化し、キッチンで働く人々の仕事をサポートし、「働く人と食事をする人の両方に喜びを提供するロボットサービス」の開発を進めている。



現在、同社ではディープラーニングを活用してたこ焼きの調理具合を判定し、人間のように調理することができる自動たこ焼き調理ロボットサービス「OctoChef」や、自動ソフトクリームロボットサービス「レイタ」を既に販売している。


動たこ焼き調理ロボットサービス「OctoChef」(画像は公式サイトより引用)



自動ソフトクリームロボットサービス「レイタ」(画像は公式サイトより引用)

今後は、自動食洗機ロボットサービス「Dish Washing System」やコンビニ向け「Hot Snack Robot」の製品化に向けて研究開発を加速させていくとしている。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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