米国のゲーム会社がAnki「Vector」のサービス継続を発表 独自の開発も進める
米ゲーム会社がAnik社の玩具ロボット「Vector」(ベクター)のシステムと権利を購入し、サービスを継続していくことをクラウドファンディングサイトのブログで発表した。今後独自の開発も継続し、ベクターをスタンドアローンで動作させたり、カスタムサーバで運用できるように進めていく考えだ。
Anki社破綻の悪夢
昨年4月、米Anki社が破綻したというニュースとともに業界には衝撃が走った。
カーネギーメロン大学のロボット研究者によって設立された同社は2億ドル以上(日本円でおよそ220億円)の金額をベンチャーキャピタルから調達していて順調なスタートアップとして知られていたし、開発したロボット「COZMO」(コズモ)はとても可愛くて評価が高く、新製品の「Vector」(ベクター)もAlexa対応など、話題に事欠かなかったからだ。
Spheroのスターウォーズ関連製品も終息に向かい芳しくないことだし、いくら精度が高くてよくできた製品でも、この分野にロボットはダメなのか、と感じた読者も多かったかもしれない。
そんな中、新年早々、明るいニュースが入ってきた。
「Vector」のサービスを継続
Ankiの「Vector」のシステムと権利を米ゲーム会社のDigital Dream Labsが購入し、「Vector」のサービスを継続したいことを、クラウドファンディングのKickstarterのブログで公表した。
「Vector」はスタンドアローンで動作部分とクラウドサーバで動作する部分がある。Anki社の破綻でクラウドサーバによるサービスや機能は止まると見られていた。クラウド・ロボティクスは無限の可能性を秘めている反面、ビジネスが軌道に乗らないとサービスが打ち切りになる恐れと背中合わせだ。それはロボット製品にとって「死」を意味するに等しい。しかし、Digital Dream Labsの表明によって、「Vector」はサービスが継続される見込みとなり、死ぬのを免れることになった。これは明るいニュースにほかならない。
更に、同社は「Vector」が(クラウドサーバなしの)スタンドアローンで動作できる「Escape Pod」というシステムを開発すること、ユーザーが自身のサーバでも動作できるようにする「Dev Vector」も開発することを併せて表明している。
ロボスタでも今後の動向に注視していきたい。