「ドコモオープンハウス2020開幕」5Gやキャリー5G、Magic Leap1、AIがもたらす未来の体験、見どころ解説(1) VRやMRが多数展示

2020年春からサービス開始が予定されている「5G」をはじめとして、AI、IoTなどの最新技術を活用したさまざまなサービス・ソリューションが体験できるNTTドコモ主催「DOCOMO Open House 2020」が23日と24日の2日間、東京ビッグサイト青海展示場(東京テレポート駅前)で開催される。

「DOCOMO Open House 2020」の会場入口

前日となる22日、報道関係者向けに内覧会が開催された。またこの日、ドコモは音楽ライブなどの生配信をスマートフォンやPC、TVから視聴できるサービス「新体感ライブ CONNECT」を新たにスタートすることを発表。5G時代を象徴する「8KVR」を行う。


5GやAIがもたらす未来の体験

この展示会は、NTTドコモとNTTグループ、そのパートナー企業たちが主体となって出展している展示会だ。見どころはなんといっても「5GやAIがもたらす未来が体験できる」ことだろう。エンタメ、交通、ビジネス、など、さまざまな分野での最新技術が紹介され、その一部が実際に体験できる。

ウルトラマン対バルタン星人とのMR対決は必見

また、会場にはローカル5G(可搬型のキャリー5G)基地局が設営され、一部の展示デモでは実際に5Gによる通信が体感できる。

会場に設営された5G基地局、可搬型キャリー5G基地局。これは可搬型だが、実際のローカル5G基地局やキャリー5G基地局もこのようなイメージの基地局になるとのこと




やっぱり目立つのはVR/MR/AR

今回の展示で目立つのはやはり「XR」、つまりVR/MR/ARなどの仮想空間を体験できるデモだ。
5Gの特徴といえば、高速・大容量、低遅延、多接続。ところが実はそれらの特徴を端的に享受できるユースケースを「XR」以外には見出せていないのが実情ともいえるだろう。これはドコモに限らず、他のキャリアでも同様だ。

会場には2on2バスケットボールのコートが用意されている。右側に観客席がある

迫力の2on2が観戦できる

とはいえ、XRは今後重要なエンタメ・コンテンツ市場に成長し得るとして期待されている。そのひとつがスポーツ観戦だ。今回の展示会場では2on2バスケットボールバトルが実際に行われ、それをスマホを使って、4画面のマルチアングルから選択して楽しめるデモが行われている。

会場では目で見るプレイの迫力に加えて、4つのアングルを切り替えた画面を5Gスマホでも楽しむことができる点が新体験

会場には4台のカメラが設置され、それらの高画質動画はドコモの閉域網のサーバに送信され、クラウドサーバで加工・編集した上で、それを再び会場の5G対応スマホに送信してほぼリアルタイムで鑑賞するというしくみだ。このデモには実際の5Gの電波が使用されているので、滑らかな映像をぜひ体感して欲しい。

この技術は昨年、ラグビーワールドカップの会場でも実証サービスが行われた技術だ。5Gによって、このように高画質でマルチアングルといった莫大なデータを低遅延で送受信することができるようになる。そのため、モバイル環境でいつでもどこでも、スポーツ観戦やライブが楽しめるようになる、と新たな市場が期待されている。


Magic Leapを使ったデモがあちこちに

ドコモは昨年、MRヘッドセット開発のMagic Leap社に約312億円を出資したことを発表している。その関係もあってかMagic Leapを使ったMR関連のデモが会場では多く見られる。VRは視界を完全に奪って仮想空間を再現するが、MRでは周囲の環境が薄く見え、それに重ねて仮想空間の映像を映し出すことができる点などが異なる。

Magic LeapのMRグラス。このほかに首からかけるデバイスで構成され、コンテンツによってはコントローラ等も使用する

DOCOMO 202X CONCEPTの会場では、先ほどのバスケットボールのほか、VRで体験するライブ映像(5G社会のコンセプト映像で実際の5G通信は行われていない)もののほかに、Magic Leapで、侍との決戦(コントローラの剣で鎧武者と斬りあう)、サメとの遭遇、太陽系の天体を指で操作する(未来の学習/検索)などが体験できる。

壁に向かって何をしているのか、と思いきや、Magic Leap内の画面には太陽系が映し出され、指で土星をつまんで動かしたり、木星の詳しい説明を読んだりできる

また、アイドルとの握手会を初めて体験した。あぁ、これもMagic LeapとVRで。
アイドルには「ツンデレ」か「デレデレ」かを選択でき、デレデレを選ぶとアイドルがずっと手を握りながら会話できる。会話には「ドコモAIエージェントAPI」が活用され、音声認識技術とVRの融合でできること、として提案されている。照れずにやり切るのがかなり難しい。握った手を振り払おうと大きく動かすと面白い(ちょっと意地悪)。現実の体験が照れ臭い人ほどバーチャルで体験するのはいい機会かも。

アイドル「セバスちゃん」とVRで握手会(だるまジャパン合同会社)

ずっとこんな感じで手を握っている・・実際の握手会もそうなの!?


XRを使った技術はほかにも・・



ABAL:プレゼンテーションタワー

ABAL:プレゼンテーションタワーはVR空間内に構築された6階層からなる展示空間をVRゴーグルを装着して体感するコンテンツ。現実の展示空間は6m×6mで、同時体験できる人数は10名まで。限られた人しか体験できない。

人気コンテンツのひとつ「ABAL:プレゼンテーションタワー」

仮想空間の中は1階のロビーからはじまり、2階は企業の研修を模した協力して部品組み立てを行うトレーニング、3階は巨大なフェス空間の体験、4階は狂言師 野村万作による「栗焼」、5階はVR POP-UP Store By 「ADASTRIA」となっている。(6階が出口)

3階は巨大なフェス空間の体験

4階は狂言師 野村万作による「栗焼」。表情までリアルに再現されている

どの階もVRの可能性を示唆し、それぞれVRトレーニング、VRライブストリーミング、VRエンターテインメント、VRストアを表現したものとなっている。

5階はVR POP-UP Store By 「ADASTRIA」。VRストア(ショッピング)の可能性を示唆


MobiledgeX

ドコモは5G時代のアプリケーションをグローバルに配信する実証実験を米国MobiledgeX,Inc.と実施している。そのデモのひとつが今回エアホッケーを身体で行うゲームとして展示されている。

大の大人2人が楽しそうに走り回っている

手にしたタブレットの中ではエアホッケーのパックが飛んできている。これをはじき返すために反復横跳びの要領でプレイヤーは横に(縦にも動ける)移動する

MobiledgeX社はエッジソリューション「MEC」(マルチアクセスエッジコンピューティング)を持っていて、この技術を使うと各国の通信事情をあまり意識せずに通信ゲームなどの負荷の高いコンテンツも比較的安定して届けられるメリットがある。(ドコモのプレスリリース)


DOCOMO Open House 2020
開催期間:2020年1月23日(木)~24日(金)
開催時間:9:30~18:00
会場:東京ビッグサイト 青海展示棟A・Bホール(23,200㎡)
※東京国際展示場の展示棟とは異なりますのでご注意ください
入場料:無料 ※事前登録が必要です
主催:株式会社NTTドコモ
イベントサイト:http://docomo-openhouse.jp/2020/

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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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