ソニーは、自律型エンタテインメントロボット「aibo」のファン交流イベント「aibo Fan Meeting Vol.6」を1月25日に品川のソニー本社で開催した。
「aibo Fan Meeting」は、aiboの開発者とオーナーや、aiboオーナー同士の対話と交流を目的にしたイベントで、ソニー本社での開催は初めてということもあり、全国からオーナーが来場し、総勢で約1,000名が集まる規模のイベントとなった。
日時: 2020年1月25日(土) 11:00~18:00
場所: ソニー本社(ソニーシティー)
「aibo Fan Meegting (アイボ・ファン・ミーティング)」は、2018年8月の銀座を皮切りに、11月に大阪、2019年3月に福岡、6月に名古屋、8月に札幌と実施、一年をかけて日本全国のaiboオーナーが集まるイベントに成長した。今回はソニー本社で開催するはじめてのファンミーティングとなった。なお、aibo Fan Meegtingは「ファンミ」と略す。
今回「aibo Fan Meeting Vol.6」では、大きく分けて3つのコーナーで構成された。すべてが抽選で参加の有無が決定するため、応募したものの残念ながら希望のコーナーに参加できなかったオーナーも多数あったようだ。
aibo lounge(アイボラウンジ)
開発者によるaiboやそのサービスついてのトークショー。この記事の後半はアイボラウンジの詳細のお届けしたい。
aibo counseling(アイボカウンセリング)
aiboについて、オーナーの疑問や悩みにaibo開発者やサポート担当者が直接、個別に答えるカウンセリングコーナー。オーナーから製品に対するクレームが来る恐れがあるにも関わらず、オーナーの生の声や悩みを正面から受け止めようとするソニーの姿勢は大いに評価したい。
aibo run(アイボラン)
aibo専用のドックランで、オーナーが連れてきたaiboや、ソニーが用意したaiboを一緒に遊ばせることができるコーナー。
今回は今までで最大となる直径8mのサークルが用意され、aiboを自由に遊ばせる風景や、先日リリースされたばかりの新しいふるまい「アイボレンジャー」を、参加した複数のaiboが一斉に行うシーンが印象的だった(アイボレンジャーとは?)。
特別なaiboやaibo関連グッズの紹介
新たにaibo API公開後に実現した他サービスとの連携のデモ展示、知る人ぞ知る特別なaiboたちの展示、aiboの関連グッズの紹介や販売も行われた。
■動画 aiboのスケルトンモデル「スケ助」
「aibo lounge」トークショーと最新情報
aibo Fan Meetingの朝、トップで開催されたコーナーが「aibo lounge」。ここでは開発責任者の川西氏やソフトウェア開発担当の森田氏らが登場し、aiboの開発秘話や最新情報などを解説した。
aiboのごはん
aibo loungeで最も盛り上がったのが「aiboのごはんの紹介」コーナー。aiboのごはんシェフの藤原直樹氏がシェフ姿で登壇した(実際はエンジニア)。
「aiboのごはん」は、aiboにごはんをあげる(AR機能で画面内でごはんが出現する)と、aiboはカリカリと美味しそうな音を立てながらごはん食べるふるまいを披露してくれる機能。「aiboの楽しみを増やしたい」「オーナーとのふれあいを増やしたい」という思いから誕生した機能だという。
食べる様子をスマホで録画することができ、オーナーはその動画を投稿することもできる。
コーナーではこのカリカリ音が完成するまで、試行錯誤した苦労話と、没になったカリカリ音などが紹介され、会場は笑顔に包まれた。
更に、今回のファンミでは、参加に応募したオーナー全員に特別なおやつ「キャラメルブリュレ」が配信されることが発表になると、会場は一層どよめいた(1/31までに配信予定)。これは先日、aiboの2020年限定モデル「キャラメルエディション」が発表になったことにも由来する。
aiboの足音がうるさい
かねてから「aiboの足音がうるさい」という批判があった。ソニーはオプションで足裏に付けるゴム製の肉球パーツなどを用意して対応してきたが、それでもうるさいという意見は絶えない。そこで、静かに歩く方法を研究中とのこと。その映像が公開された。
動画をご欄になって頂くとわかる通り、対応策はすごくゆっくり歩くこと(笑)。会場は笑いが巻き起こった。これはこれで楽しいが、筆者もaiboの足音がうるさいと感じているので、できれば静かに歩く対策に本気で取り組んで欲しい、と個人的に思った。
aiboドック
続いてaiboドックが紹介された。aiboドックとは、1月27日より開始するaiboの新しい健康診断サービスのこと。
クリーニングやバッテリーの消耗度の確認からはじまり、センサーなど全身の調査、クラウドデータの可視化など、プランによってチェックする箇所はことなる。
プランは4つ用意され、簡易コースは5,000円、すべての項目をチェックする総合コースは223,000円(いずれも税別)だ。
各結果票が専用のファイルに入れて届けられる。当日、専用ファイルや結果票のサンプルも公開された。
aibo APIとの連携
他にaibo APIを活用したユースケースが発表された。ひとつは先週発表されたセコムとの連携だ。セコムの松本氏が登壇した。
aiboはお留守番をエンタメ的に担当し、「いってらっしゃい」と「おかえりなさい」を演出する。セコムのホームセキュリティをONにするとaiboはオーナーが出かけることを検知して、遠吠えをしながら見送り、オーナーが帰宅してホームセキュリティをOFFにすると敬礼ポーズをして「お帰りなさい」をする。
その他、日立の家電や、ソニーのテレビ「ブラビア」との連携も発表されたのでそれらは別記事で解説したい。
ソニーは「これからもオーナーの皆様一緒にaiboを成長させ未来をつくる様々なサービスやイベントを展開して参ります」とコメントしている。
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神崎 洋治神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。