Telexistence株式会社(TX社)は、モルガン・スタンレー出身で、GROOVE Xで総額85億円の資金調達をまとめた前田信太朗氏がCFOに就任したことを発表した。(冒頭の写真、左から2番目がCFOに就任した前田信太朗氏)
TELEXISTENCEは1980年に東京大学名誉教授及びTX社の会長である舘暲博士によって最初に提唱された技術的なビジョン。人間の存在を拡張する技術システムで、ロボスタ読者にとってもっともお馴染みのTX社製品は遠隔操作ロボットだろう。
TXは創業から3年、一層の加速的成長に向けた財務戦略、上場に向けた管理会計・コーポレートガバナンスを含む経営管理の徹底を視野に、経験豊富な前田信太朗氏をCFOに迎え入れることにしたという。
前田氏は、2002年に慶應義塾大学を卒業後、モルガン・スタンレー証券会社(現モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)に入社。13年間に渡り、主に債券市場部門の金融商品開発部にて、生命保険会社や事業法人向けにリスク管理を目的とする金融商品を組成する業務に従事した。2016年に同社退職後、創業間もない、家族型ロボット「LOVOT」を開発するGROOVE Xにビジネススタッフ第1号として参画し、同社2回目から4回目までのエクイティ資金調達、総額85億円(調達金額はそれぞれ11.6億円、43.5億円、30億円)をまとめた立役者。
遠隔地にいるロボットをあたかも自分の分身のように操作する―SF映画やSFアニメの世界で描かれてきたイメージが強い技術を、いかに我々の実社会に一番価値をもたらす形で活用し、事業化を図るか。CEO富岡が率いるTX社のビジネス構想、それに共感しそれを実現すべく世界中から優秀な人材が加わるTX社にCFOとして参画できることを大変うれしく思っております。
TX社のミッションを実現するべく、財務戦略面および経営管理面からTX社の持続的な事業成長を支えるとともに、株主をはじめとするステークホルダーの方々に価値をもたらすべく精進して参ります。
【就任にあたり代表取締役CEO 富岡 仁のコメント】
毎年販売されるロボットは世界中の全てのメーカーを合わせても100万台にも届きません。これを1億台の車、2億台のテレビ、3.5億台のスマートフォンと比べたらごく僅かであり、これだけしか売れない場合、優秀な人材や新しいアイデア、技術の発展も多くは望めません。この結果、工場の外の世界にとっては、高くて必ずしも最適とは言えない製品しか生まれません。
TXは「前田氏のようにロボット産業に流入し難い、他産業の一流の才能を呼び込み、一点に集中させ、この状況を変えたいと思っています。生産数が伸びるにつれて、ロボットの設計や製造を改良・革新する機会と刺激を増やし、ロボットの性能を向上させると同時に値段を下げ、それに伴って市場も拡大し、さらなる発展を業界に呼び込む。このように、生産数の伸びに対し、コストが下がっていく、所謂「製造業者の成熟曲線」を工場の外の世界で早期に実現することをまずは目指す」としている。
2002年4月 モルガン・スタンレー証券会社(現モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社) 入社
2003年5月 株式会社ラザードフレール 入社
2004年3月 モルガン・スタンレー証券会社(現モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社) 入社
2016年9月 GROOVE X株式会社 入社
2019年12月 Telexistence株式会社 入社
Telexistence株式会社