自動車業界に向けてAIによる音声会話技術等を提供するCerence(以下、セレンス)は、地図および位置情報プラットフォームサービスと技術プラットフォームを提供するHERE Technologies(以下、HERE)と提携し、HEREの位置情報サービスと、セレンスのCerence Driveポートフォリオを統合させた高度なAIを搭載したモビリティ・アシスタント製品の提供を開始することを発表した。
音声認識APIを使った自然な言い回しで検索できる対話体験
両社は長期にわたるパートナーシップを基に、HEREが提供する地図APIおよび、POI(Point of Interest)データに音声でアクセスする機能をアウディ、BMW、ダイムラーなど世界的な自動車メーカーに提供していく。
電気自動車向けの充電スポット、ガソリンスタンド、駐車場、天気などに対応したHEREの音声認識APIは、ドライバーが特定のコマンドの代わりに自然な言い回しで最寄りの電気自動車向け充電スタンドを探したり、悪天候の場合に目的地の近くにある屋根付き駐車場を見つけたりすることができる対話体験を創出する。
ドライバーの好みも学習
この音声認識ソリューションは、ドライバーの好みや習慣等の継続的なAIベースの学習を通じて、車内体験をさらにパーソナライズする。HEREの豊富な位置情報データは、ドライバーの好みに合わせた文脈情報を提供することで、より適切で関連性のある提案の提供が可能になる。例えば、ドライバーが軽油を提供する24時間営業のガソリンスタンドを頻繁に利用していることをシステムが学習すると、その好みに合った提案を行う。またHEREの3D地図がセレンスのマルチモーダルの車内体験に組み込まれているため、ドライバーが視線検知と音声認識を利用して車外のPOIとやり取りすることが可能になる。
HEREの最高製品責任者(CPO)であるヨルゲン・ベーレンス(Jørgen Behrens)氏と、セレンスのコア・オートモーティブ部門エグゼクティブ・バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーであるステファン・オルトマン(Stefan Ortmanns)氏は次のように述べている。
「モビリティアシスタントの人気が高まるにつれて、ドライバーがモビリティアシスタントとその機能を十分に活用できるようにするには、正確な位置情報が不可欠です。セレンスと連携して、車内での生産性と安全性を高める音声対応のマルチモーダル車内体験を作り出すことを嬉しく思います」
「HEREとの提携は、モビリティアシスタントの全体的な性能を最適化するためのコミットメントをさらに強固にするものです。HEREは信頼できるパートナーであり、業界リーダーであり、HEREの広範な地図とPOIデータは、日常生活で頼りになる強力な体験をドライバーにもたらすために極めて重要です」
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。