中部電力株式会社は、ソフトバンクロボティクスとソフトバンクと共同で、Boston Dynamics社の最先端の四足歩行型ロボット「Spot」(スポット)を電力設備で活用することを発表した。Spotは設備巡視業務において、自律的な巡回や安全点検などの業務を担当する。2020年1月に実証実験を終了し、現在は本格活用に向けた検討を開始しているという。電力設備での実証実験や採用は日本初となる(電力会社では海外でFlorida Power & Light Companyが実践している)。
「電力設備巡視」や「屋外電力設備巡視」業務を担当
電力業界では、従来より作業員によって点検や記録業務なとが行われてきたが、人員不足や高齢化などの影響で、ロボット活用による自動化が期待されている。
今回の実証実験では「Spot」によって「電力設備巡視」や「屋外電力設備巡視」業務などの実証実験を実施した。今後も、ロボットなどのさまざまな最先端技術を実現場に導入すべく、試適用と展開を積極的に進めていく考えだ。
ロボットを活用することで、電力設備での生産性向上や業務効率化を目指す。実証実験では、設備巡視業務における自律的な巡回による進捗管理や安全点検などの業務への「Spot」活用の可能性を検証した。
「Spot」は不整地な路面や階段を歩行して移動でき、障害物を自動回避することに加え、本体に搭載されているカメラによって、 巡視・点検対象の写真撮影を行うことができる。
今後は「Spot を電力設備での巡視業務で活用するためのデータを収集し、センサーやカメラ、「Spot」の仕様に基づいたハードウェア技術とそれらを制御するソフトウェアに関わるモジュールなどの開発を行いながら、2020年夏以降の本格活用に向けて検討を進めていく」としている。
3社は、実証実験を通して、電力設備でのロボット活用の効果を検証し、電力に関わる業界における生産性向上や業務効率化に寄与することを目指す。
なお、鹿島建設が土木工事現場で活用するために「Spot」を導入したことを先月発表して話題になった。
関連記事「鹿島建設が四足歩行ロボット「Spot」(スポット)を正式導入 トンネル工事現場で有用性を確認 ボストンダイナミクスの最先端技術が実践へ」
全長 1,100mm
幅 500mm
高さ 840mm(起立時)、191mm(着座時)
重量 28kg
※初稿では「世界初」と表記していましたが、「日本初」に訂正しました。
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神崎 洋治神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。