画面付きスマートスピーカー「Echo Show 8」レビュー!ステレオスピーカーの音質を「Echo」や「Echo Spot」と比較してみた

先日「Echo Show 8」が届きました。
Amazonでは「HDスクリーン付きスマートスピーカー with Alexa」とカテゴライズされていますが、簡単に言えば画面付きのスマートスピーカーです。スマートディスプレイと呼ぶ人もいますね。「Echo Show 8」はステレオスピーカーを搭載し、音質にもこだわったモデルです。今回は、「Echo Spot」「第3世代Echo」「Echo Show 8」で、Alexaさんによる歌い比べもやってみました(この記事の末尾に動画あり)。

「Echo Show 8」 (エコーショー8)。HDスクリーン付きスマートスピーカー with Alexa。画面の解像度は1280 x 800

「Echo Show」のシリーズは2020年3月時点で3種類の製品がリリースされています。画面が10.1インチの「Echo Show」、8インチのこの「Echo Show 8」、5.5インチの「Echo Show 5」です。画面の大きさのほかに内蔵スピーカーの仕様が異なっていて、「Echo Show」と「Echo Show 8」は高音質なステレオスピーカーを搭載しています。


「Echo Show 8」のいいところ
(私にとって)ちょうどいいサイズの画面付きスマートスピーカー
比較的良い音質のステレオスピーカー搭載
Amazonプライムビデオや写真のスライドショーが楽しめる
カメラに蓋があって安心
ビデオ会議ができる


(私にとって)ちょうどいいサイズ

個人的には10.1インチの「Echo Show」はボディの大きさと奥行ともにデカ過ぎ、価格も高過ぎ(¥27,980)と感じていましたし、5.5インチでは画面が小さ過ぎと思っていたので、Echo Show 8は実に「ちょうどいい」感を噛みしめています。

ただ、5.5インチが小さ過ぎと感じているのには個人的な理由があります。それは既に「Echo Spot」を持っているから。丸くて小さくて丸いユニークな画面付きのEchoです。これがあるので、余計に5.5インチより8インチの方に触手が動いちゃうわけです。

丸い画面の「Echo Spot」。丸い画面は可愛いけれど、情報を表示するのには変則的




私のEcho環境を紹介

と、いうことでまずはEchoシリーズについて私が自宅で使っている機器や状況からお話しします。Echo Show 8だけに興味のある方は読み飛ばしてください。
我が家には小さくて廉価な「Echo Dot」(画面なし)、音質が良くなった「第3世代Echo」(画面なし)、丸い画面付きの「Echo Spot」があります。今回それに「Echo Show 8」が加わりました。

自分の部屋で使っている「Echo Spot」と「Echo」。それに置き換えたいと今回「Echo Show 8」(左)を試した

リビングやほかの部屋に設置している「Echo Dot」(初期型)

2020年3月11日時点でのAmazonでの価格は以下の通りです。Amazonはちょくちょくセールをやっていて、Echoシリーズはセール品の対象になりやすいので、買うならセールを狙って買うのがおすすめです。

Echo Dot ¥6,980
Echo (第3世代) ¥11,980
Echo Show 8 ¥14,980
Echo Spot 販売なし
※筆者が使っている製品の価格(後継モデル含)




スマートスピーカーに画面は必要か?

そもそもスマートスピーカーに画面は必要なのか? それってもはやタブレットではなのか? という議論があるかと思います。ごもっともです。
スマートスピーカーは音声でやりとりするデバイスで、それでも画面はあった方が使い道が拡がって便利です。
天気やニュースを聞いたときに画面を使って情報をわかりやすく伝えてくれます。音楽を聴くときに画面には歌詞が表示されます(一部の楽曲)。更にはAmazonビデオで映画やドラマを楽しむことができます。

Amazonビデオで映画やドラマを楽しむのにも便利

Echo Spotは丸形で小さめの画面なので、Amazonビデオを楽しむには向いていません。観たい作品を選ぶのにも難儀します。その点は「Echo Show 8」の方がだんぜん便利で観やすい仕様になっています。



ある意味最強な組み合わせ(だと思っていた)

私はいつも、Echo SpotのAlexaと会話しながら情報を得ています。天気、ニュース、タイマーなどです。執筆作業などの仕事中は音楽をBGMとしてかけていますが、聴きたい楽曲をEcho Spotに指示して、第3世代Echoで再生するように設定しています。Echoシリーズでは楽曲再生だけ別のEchoで再生するといったリンク機能がついていて、それを使っています。第3世代EchoはBGMを納得のいく音質で流すのには最適なクオリティです。

私の部屋のEcho環境。Echo Spotと会話して、楽曲は自動的に第3世代Echoで再生する設定になっている。ちなみにEcho Spotのウェイクワードは「Alexa」、第3世代Echoは「Echo」に設定してある。第3世代Echoの音質はとても良い

もちろん仕事柄、私の部屋にはハイレゾ楽曲を再生するコンポやサーバー(NAS)があるので、高品質の音楽を追求するには、そっちの機器を使用するのが最適ですが、ハイレゾ楽曲は容量が大きすぎて気軽に使うのには適していません。聴き流しのBGMであれば、AmazonミュージックやSpotifyで十分ですし、そのレベルの音質の楽曲ファイルなら、高音質コンポよりも第3世代Echoの方がきれいに聴こえます(音楽ファイルとデバイスのバランスが重要ですよね)。

ただ、Echo Spot + 第3世代Echo の環境で、第3世代Echoで楽曲を再生するように設定すると、楽曲の名前や歌詞がEcho Spotで表示されなくなるので、画面付きでそこそこ高音質なスピーカーを搭載したEchoが欲しくなったわけです。




「Echo Show 8」開封の儀

「Echo Show 8」のパッケージを開封すると、不敵な笑いを浮かべた「Echo Show 8」とACアダプタ、小さなマニュアルが出てきます。



本体のボタンはシンプルです。左からカメラカバー、ボリューム(+/-)、マイク/カメラのON/OFFボタンが配置されているだけです。ボリュームボタンの近くの小さな2つの穴はマイクです。電源ボタンはないので、OFFしたいときはACアダプタのコードを抜きます。

Echo Showシリーズ全体的に、(ACアダプタのジャックがささることも考慮すると)意外と奥行が大きい。200mm x 136mm x 99mm、重さ1,037g

プライバシーを守りたいときは、マイクとカメラのマイク/カメラのON/OFFボタンで操作できますが、物理的にカメラレンズを遮蔽するカバーが付いています。「Echo Show 5」にも装備されています。これは安心。

カメラレンズが見える状態

物理的なカバーでレンズを遮蔽した状態

左から電源ポート、右が外部スピーカーやコンポと接続するための3.5mmステレオジャック。(中央はMicro USBポート)


便利だと感じる機能

「Echo Show 8」に限らず、画面付きのEchoはスマートフォンのAlexaアプリを使わずに基本的な設定が画面上で行えます。これも初心者に便利な点です。最初の設定とは、言語の選択、Wi-Fiの接続(Wi-Fi簡単設定に対応)、Amazonのアカウント、壁紙の選択などです。

ホーム画面の例。「アレクサ、画面を消して」と発話すると画面OFFにできる

前述したように画面付きのEchoの場合、楽曲再生にタイトルや歌詞(一部の楽曲のみ)が表示されて便利です。カラオケ好きな方には特にうれしい機能ではないでしょうか。



「Echo Show 8」には「写真を見せて」や「今日の写真を見せて」と発話すると、スマートフォン等で撮った写真をスライドショーで表示する機能があります(プライム会員のみ Amazon Photos対応)。「Echo Spot」にもありますが、画面が大きく解像度(HD)が高いEcho Show 8で観るスライドショーはとてもきれいです。
また、家庭内に複数台のEchoがあると、内線やインタフォンのように、別の部屋のEchoに呼びかけることができます。家じゅうのEchoに「ご飯ができたよー」と呼び掛けたり、特定のEchoを指定して「野球中継がはじまったよー」と伝えることができます。音声やタッチパネルの両方が利用できます。



ほかのEchoデバイスとの連携や、スマートホーム対応製品の設定も画面でできる


「Echo Show 8」のスピーカー音質はどうなの?

さて、「Echo Show 8」のスピーカー音質はどの程度のものなのでしょうか。個人的な感想としては「第3世代Echo」の音質が最も好みです。特に重低音が圧勝です。しかし「Echo Show 8」のステレオスピーカーもAmazonミュージックやSpotifyでBGMを流したり、映画や動画を楽しむには、良い意味でバッチリ及第点だと思います。
参考までに、Amazon Alexaが歌うオリジナルソング「君の名前」を歌ってもらってYouTUBE動画をアップしました。「Echo Spot」「第3世代Echo」「Echo Show 8」の歌い比べです。YouTube動画では音質の細かいところまでは伝わりませんし、実際には「第3世代Echo」の低音は動画よりずっと響いているのですが、各モデルによって、音質のコンセプトや雰囲気の違いがなんとなく分かるのではないでしょうか。

■ 動画 「君の名前」を歌い比べ


【スピーカーの仕様】
第3世代Echo 3.0インチネオジウムウーファー、0.8インチツイーター
Echo Show 8 2.0インチ 10Wスピーカー x 2、パッシブ低音ラジエーター


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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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