ZMPの低速自動運転ロボット三兄弟!観光地向けソリューションで「移動」と多言語「案内」、無人宅配や警備モデルも
観光地では、旅行客が観光スポットを存分に楽しむための様々なサービスが提供されているものの、ラクな「移動」と効果的な「案内」の両方を満足するサービスは充実しているとは言えない。
株式会社ZMPは、自動走行する一人乗りロボ「RakuRo(ラクロ)」の観光地向けソリューションを発表した。同社はこのソリューションにより、観光地での移動、案内に関する課題を解決し、インバウンド観光客が新しい体験を得ることができるとしている。(上の画像はyotube動画からキャプチャー 記事内にリンク)
ZMPが考える「移動」と「案内」の課題
観光地では旅行客が観光スポットを存分に楽しむにあたり、観光案内所での情報提供やスマートフォンアプリでの地図、翻訳・通訳など、様々なサービスが提供されているが、ラクな「移動」と効果的な「案内」の両方を満足するサービスはあまりない。ZMPは観光地では以下のような課題や要望があると考えている。
<移動に関する課題>
・徒歩での移動距離が長く疲れる
・複数個所を効率よく回るコースが必要
<案内に関する課題>
・現地のオススメ情報、土産物情報を得たい
・海外からの観光客の場合、言語の壁がある
RakuRo(ラクロ)とは
同社はこれらの課題に対し、低速モビリティロボット「RakuRo(ラクロ)」による「移動」と「案内」の新体験を提供。
RakuRo(ラクロ)は歩く程度の速度で走行する低速モビリティロボット。コンパクトな車体に、自律移動に必要なセンサーやデバイスを搭載。左右90度回転する乗客用の椅子を搭載し、乗り降りが容易に行える。
観光地向けソリューションでは「移動」と「案内」の新体験を提供
観光地向けソリューションではRakuRo(ラクロ)による「移動」と「案内」の新体験として次の4つを提供するという。
1.歩行を代替
公道を人が歩く程度の速度で自動走行することで、歩いているのと似たような視点でありながら観光をラクに楽しむことができる。
2.タブレットで観光案内
利用者が見やすい位置に設置されたタブレットや音声機能は、効率よく観光ができるオススメコースや、写真スポット、食事処、お土産処などの情報を自分が現在いる位置にあわせて案内するなどのサービスを提供。
3.多言語対応の対話エンジン
言語の不自由さや土地に不慣れな海外からのインバウンド観光客には、タブレットの多言語化やRakuRoの持つ対話エンジンなどでより深い情報を的確に得ることができる。
4.スマホアプリで計画的に
RakuRoのスマートフォンアプリをダウンロードすることで事前の予約やコース決め、決済まで行うことができ、計画的に観光をすることができる。
RakuRo(ラクロ)の導入を検討するにあたっては、本格導入前にフィジビリティ検証やトライアル運用などを実施することも可能。RakuRoのタブレットや音声で案内したい観光地のコンテンツを用意し、同社にてサービスシナリオにあわせた走行テストを実施する。
・寸法/重量
長さ118.8cm×幅66.4cm×高さ120.0cm 重量:110kg
・主な機能
移動機能:自己位置推定による自律移動、障害物回避
コミュニケーション機能:表情・声による周囲とのコミュニケーション
タブレット機能:タッチ操作による行先指定、途中停止と再走行指示
・速度:最大6km/h
・安全機能:レーザセンサーやカメラによる障害物認識と自動回避・停止、緊急停止スイッチカメラによる遠隔での周囲監視
・充電/稼働時間
1時間充電/4~6時間稼働 (利用環境・頻度等により異なる)
※仕様は予告なく変更となる可能性がある。
RakuRo(ラクロ)の価格は月額10万円~(本体年リースの価格)。その他、自動走行用マップの作成や現地セットアップ等の初期費用、および保守費用、管理システム利用料などが別途必要となる。RakuRoは5月出荷開始。現在、受注を受け付けている。
低速自動運転ロボット三兄弟
ZMPが提供している低速自動運転ロボットは、無人宅配ロボ「DeliRo(デリロ)」一人乗りロボ「RakuRo(ラクロ)」、警備ロボ「PATORO(パトロ)」の3種類。これらのモビリティは、すべて早期の実用化を目指している。
宅配ロボDeliRo(デリロ)とは
DeliRoは物流のラストワンマイルの課題解決や日々の買い物支援など、新たなライフスタイルを創造する宅配ロボット。積載量は最大50kgに対応し、配送物や飲料など、多様な利用シーンや配送ニーズに対応していく。スマートフォンでの注文、配達通知、開錠などの機能も有している。
また、ビル内での運用に有効なエレベータ連携も開発中だ。DeliRoは三菱電機製のエレベータと通信し、階を移動する実証実験の動画も公開されている。
警備ロボPATORO(パトロ)とは
ラインナップで最もコンパクトなため屋内での小回りも効くロボット。カメラによる映像監視や記録、騒音や異常音の検知、警告、火災検知など、周辺監視や巡回警備等に必要な機能を搭載し、2020年度にサービス開始予定。ビル管理、施設管理、地域の見回りなどでの活用が期待できる。
モビリティにはZMPが自動運転車両の開発で培った高度な自律移動技術を応用し、周囲環境を認識しながら走行経路上の人や自動車など障害物を検出し、停止や回避など適切な移動制御を行う。また、親しみやすい独自のデザインにより、すれちがう人にも笑顔や声でコミュニケーションを行うことにより、人との共存を実現する。
ZMPは自動車の世界ではキーワードとなっている「CASE」(Connected Autonomous Share Electric)を、歩く程度の速度で走行する低速モビリティロボットで実現し、観光地や介護福祉施設、空港、遊園地等での課題解決をしていくとともに、移動がラクに楽しくなる社会の実現を目指していくとしている。
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。