【速報】タカラトミー「ドラえもんwith U」を独占最速レビュー!会話、ゲーム、プログラミングの楽しみ方や魅力を徹底解説

タカラトミーが6月下旬から発売する予定のコミュニケーションロボット「キミだけのともだち ドラえもんwith U」を早速、見せてもらいました。ファーストインプレッションは「とにかくかわいい」。セカンドインプレッションは「はじめてのプログラミング教育にも最適」だと感じました。子どもだけでなく、大人も楽しめるロボット玩具になっています。
では、さっそく「ドラえもんwith U」の動きや遊び方、魅力を大公開します。

タカラトミー「キミだけのともだち ドラえもんwith U」。サイズはW170mm × H172mm × D120mm。重さ550g。開発中の実機デモを見せてもらいました。(写真や動画の「ドラえもんwith U」は最終版ではありません。製品版とは異なる場合があります。ご了承ください)

「ドラえもんwith U」は、タカラトミーがロボット玩具シリーズとしてラインアップしている「オムニボット」シリーズの新商品になります。ドラえもんとの会話やゲーム、仕草や動作を楽しんだり、付属のカードを使ってプログラミングできるなど、いくつかの大きな特徴があります。

会話や動作を楽しむだけでなく、付属のカードを使ったプログラミングできる点も大きな特徴

本体は乾電池でもACアダプタでも動作します(いずれも別売)。Wi-Fiやインターネット接続は必要ありません。メーカー希望小売価格は19,800円(税抜)、2020年6月下旬発売予定です。


造形がリアル

まずは「ドラえもんwith U」本体をチェックしてみましょう。
写真や正面から見ただけでは気づきにくいのですが、ほっぺたがふくらんでいて、立体造形にこだわっていることが分かります。



目の表情が豊か

なんといっても面白いのが「目の表情が豊か」なこと。カラー液晶が組み込まれていて、さまざまな感情を目で表現することができます。カラー液晶なので、黒以外にも黄色や赤を使った目のデザインが用意されています。「ピンクのハート」を出してみてくださいね。

写真では少し確認しづらいですが、黄色い星型の目がパチクリ。目が回ってしまったようです。ぜひピンクのハートの目を出してみてください

目と言えば、気づいた人もいるかと思いますが、カラー液晶で表現するのはいわゆる黒目の部分という仕様になっています。実はこれには理由があります。電源を落とした状態では液晶画面は暗く(黒く)なりますが、黒目だけ液晶にしていることで、電源を落とした状態でもドラえもんらしい表情になるようにデザイン的に配慮されています。


モーターは3つ

モーターは3か所に搭載されています。両手にひとつずつ、手をバタバタさせたりします。もうひとつのモーターは腰(お尻)に内蔵されていて、ターンテーブルのように稼働して身体の向きをグルグルと変えることができます。これらを組み合わせると、ダンスを踊ったり、豊かな感情表現ができるようになっています。

両手にモーターを内蔵。両手、または片手をあげたり、バタバタする仕草ができます

失礼してお尻を見せてもらいました。ターンテーブルのように身体をグルグル回すことができます

センサーは人感センサー、タッチセンサー、揺らしセンサーが内蔵されています。
人が近づくと人感センサーが検知して「誰かいるの?」とドラえもんの方から話しかけてきます。

タッチセンサーは頭についています。手をあてると反応して、会話を始めることができます。また、なでなでするとそれを感知して、うれしそうな表情になります。ずっとなでなでを続けていると・・怒られるかも?

ドラえもんの口の上部にはスピーカー、口の舌先にマイク、鈴部分に人感センサーが搭載されています。また、ドラえもんを持ちあげると揺らしセンサーが反応してリアクションします。ぐるぐると揺らすと目を回してしまいますよ。

ドラえもんの背面。後頭部に乾電池ボックスのカバーがあります(単三電池4本)。首輪には「△」「〇」「×」ボタンがあって、ゲームなどの回答などで使用します

しっぽは「ON/OFF」スイッチになっています。また、ACアダプタが別売で用意されているので、机の上などに据え置きで使うのにはACアダプタが経済的でしょう(TYPE 5U、充電はできません)

製品開発に最も重視したのは「国民的人気のドラえもん、明るくて楽しいキャラクター性をできるだけ表現すること」(五島さん)。ドラえもんと少し話しただけでもすぐに、ドラえもん独特の世界観に惹き込まれますよ。


ドラえもんとの会話やゲームを楽しむ

3つのモードで、ドラえもんと楽しむことができます。
まずは「おしゃべり機能」、ドラえもんとの会話です。音声認識機能があり、15個のワードを認識して答えてくれます。例えばドラえもんの大好きな「どらやき」や、大嫌いな「ねずみ」などのワードを認識し、それに応じて異なるリアクションで反応してくれます。15個のワードはマニュアルに掲載されています。

「いってきます」「いま何時」「どらやき」「ねずみ」などの計15ワードを認識。ドラえもんとの会話デモをしてくれている五島安芸子さん(株式会社タカラトミー 企画開発本部 ニュープロダクト企画開発室 クリエイティブ・プロジェクト課 課長補佐)

ドラえもんが話すフレーズ総数はなんと1,500ワード。七夕や父の日、クリスマスなど、季節や特別な日に合わせたセリフも用意されているため「毎日会話していても、初めて聞くセリフがどんどん出てきて、新たな発見が楽しみ」(五島さん)と話してくれました。

■動画 ドラえもんとの会話

また、ドラえもんと一緒に遊べるゲームもいくつか用意されています。

■動画 ドラえもんと一緒にゲーム

【セリフ例】
・「どこでもドア~!このドアを開けるだけで、行きたいところへ、どこへでも行くことができるよ。」
・「ひな祭りだね!のび太くんはしずかちゃんのおうちでひな祭りかな?」
・「がんばれ!人にできてキミにできないなんてこと、あるもんか!」


付属のカードで楽しむ

次にカードを使ってドラえもんとの会話や反応を楽しむことができます。ドラえもんと言えば「ひみつ道具」ですが、ひみつ道具に関するセリフもたくさん用意されています。


「お話しカード」や「設定カード」「ひみつ道具カード」「キャラクターカード」「プログラミング入力カード」などいろいろなカードが付属しています。それらをドラえもんのポケット(四次元ポケット)に入れることで、ドラえもんが反応します。例えば、「空気砲」のカードを入れると、そのアイテムの特徴をドラえもんが説明してくれます。


■動画 「空気砲」ってなんだろう

また、みんな大好きな「どこでもドア」を入れると、ドラえもんの発話の中で一緒に旅行を楽しむことができます。どこに飛ぶかはお楽しみ。ランダムに設定されています。他にもいろいろなカードを入れて、会話やダンス等を楽しめます。


■動画 「どこでもドア」で遊ぼう


どうやってカードを識別しているの?

カードにはQRコードやバーコードは見当たりません。どのようなしくみで、ドラえもんはカードを識別しているのでしょうか。これには特殊なドットコード技術が使われています。とても小さなドット(点々)状のコードが印刷されていて、ポケットの中のスキャナ(カメラ)で識別しています。




ドラえもんと会話しながらプログラミング

付属の「ひみつ道具」などのカードを使って、ドラえもんの反応や動きをプログラミングすることができます。


例えば、こんな手順です。
まず、ひみつ道具「もしもボックス」をドラえもんのポケットに入れます。これでドラえもんは「これからプログラミングを始めるんだ」と理解します。プログラミングの基本である「if ~ then」(もし○○したら、××する)のしくみを楽しみながら学んでいきましょう。
やり方はとても簡単。順番にカードを読ませることでプログラミングできますが、それもドラえもんが教えてくれます。

「もしもボックス」
連続して撫でられたら
ご機嫌なセリフを言って
ウインクして
両手をあげて
左右に向いて
わくわくな目をする
この順番にカードを入れることで、ドラえもんはこの通りに動作するようにプログラミングできます。

順番にカードを読ませるプログラミング。カードのデザインに矢印モチーフを採用し、左から順番に実行されることが分かりやすく明示されています。カードの枚数は10枚まで。最後に「おわり」を入れる(プログラミングでもENDは重要)。「おわり」は10枚の数には含まれません

カードを入れるごとにドラえもんがどんなカードを読み込んだかを発話してくれて、「次はどうする?」等と案内してくれます。また、「表情カードはどう?」など、おすすめのカードを提案してくれたりして、楽しくプログラミング学習を進められます。

■動画 カードでプログラミング

「おはよう」という言葉をキーにドラえもんが動作するプログラミングした例は次の動画を見てくださいね。こうして登録したプログラミングは電源を切っても忘れません。

■動画 「おはよう」をプログラミング

五島さんは「ドラえもんと一緒に楽しみながら、プログラミングの基礎を自然に学べるものにしたいと考えた」と言います。


プログラミング教育の必修化に合わせて

小中学校で必修化になるプログラミング教育では、通常、タブレットやパソコンを使ってコマンド動作のブロックをドラッグ&ドロップして並べるスクラッチ方式が知られています。「ドラえもん with U」では、これに似たものをタブレットやパソコンを使わずに、カードを使ってドラえもんと楽しみながら学べるしくみになっています。「もしもこうしたら、ドラえもんにこう反応して欲しい」といったように、遊びながら論理的思考が自然に育まれるのではないかと感じました。2020年度から小学校で「ブログミング教育が必修」となりますが、その際にもドラえもんとプログラミングで遊んだ経験はきっと役立つと思います。

他には「スケジュール時計」を使って、決められた時間に指定した動きをドラえもんにしてもらう、といったプログラミングも用意されています。例えば、朝7時になると、はげますセリフを言って、にこにこの目をして欲しいなどが設定できます。

「スケジュール時計」を使用したプログラミングの例

毎朝ドラえもんに起こしてもらうのも楽しいですよね、きっと。


ステップアップには「アンキパン」

プログラミングの上級編として「アンキパン」が用意されています。「アンキパン」にはあらかじめプログラミングを定義しておくことができ、親プログラムから子プログラム(アンキパンに登録したプログラム)を実行するしくみです。プログラミング用語ではライブラリやモジュール化、ブロック定義などと呼ばれます。

あらかじめ「アンキパン」にプログラムを登録(B)しておくと、Aを実行した後、Bを実行してから、Cを実行します。カードの上限は10枚ですが、この機能を上手に使うことで、もっとたくさんのプログラムを指定することができます(「アンキパン」は2枚付属し、それぞれの上限は5枚まで登録できる)

アンキパンのほかに「くりかえしカード」も用意されていて、プログラミングのレベルアップに使用できます。

会話を楽しんだり、一緒にゲームして遊んだり、カードをスキャンして楽しめることに加えて、プログラミングの基礎も学べる「ドラえもんwith U」。タカラトミーモールなどで購入できます。6月の発売が今から楽しみですね。


※写真の「ドラえもんwith U」は最終版ではありません。製品版とは異なる場合があります。ご了承ください。


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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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