楽天モバイルとNEC「5G」用の基地局装置の無線子局「RU」を出荷 5G商用サービスを6月より開始 オープンRAN対応

楽天モバイルと日本電気(NEC)は、両社が連携して開発を進めたオープンRAN対応の第5世代移動通信システム「5G」用の基地局装置の無線子局「Radio Unit」(RU)の量産をNECプラットフォームズ福島事業所にて開始し、第1号機の出荷を完了したことを発表した。
オープンRANとは「O-RAN」とも表記される「Open Radio Access Network」の略称。無線の送受信装置等の仕様をオープンにして、様々なベンターの機器を開発したり、相互接続するなど、標準化しようというもの。


楽天モバイル向けNEC製5G用RU

今回、NECが量産を開始した5G用RUは小型・軽量・低消費電力などの特徴を持つ。NECの技術と実績による高い品質と3.7GHz帯周波数の超多素子アンテナ(Massive MIMOアンテナ)を搭載。楽天モバイルは5G用RUを用いて、東京エリアから基地局を設置することでネットワーク構築を進め、2020年6月より5Gネットワークの商用サービスの提供を開始する予定。

楽天モバイルは、総務省より東京都世田谷区および江東区における5G無線局(基地局)の免許を2020年3月6日付で付与された

今回の5G用RUの量産について、楽天モバイル代表取締役副社長兼CTO(最高技術責任者)のタレック・アミン氏は次のように述べている。

楽天モバイル代表取締役副社長兼CTO(最高技術責任者) タレック・アミン氏
「NECの技術により日本国内で開発・製造された高品質な5G 用RUは、楽天モバイルの完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークを構成する一部として、非常に重要な役割を担います。今回の5G用RUの量産開始に伴い、今後、楽天モバイルは5G基地局の設置に取り組み、コスト効率や安全性が高く、高品質な5Gサービスをお客様へ提供できるよう尽力していきます」

NEC執行役員常務の河村 厚男氏は次のように述べている。

NEC執行役員常務 河村 厚男氏
「楽天モバイルの先進的な5Gモバイルネットワークの構築に貢献することができ、大変光栄に思います。NECの福島工場で生産した5G用RUは、オープンアーキテクチャに準拠し、小型・低消費電力という特長を有しています。NECは今後もオープンな5Gエコシステムの拡大を通じて、世界の新たなモバイルサービスの創出に貢献していきます」

楽天モバイルはエンドツーエンドの完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークを構築しており、2019年10月より世界に先駆けて日本でオープンかつ仮想化、分散化された無線アクセスネットワーク(オープンRAN)を実用化した。また、両社は4Gネットワークの運営におけるビジネス支援システム(BSS: Business Support System)および運用支援システム(OSS: Operations Support System)のソリューションについて、これまでも緊密に協業している。

楽天モバイルは今後も、5Gネットワークを2020年代の社会インフラと位置づけ、既存サービスの利便性向上のみならず、様々な分野における利活用や新ビジネスの創出につなげ、社会問題の解決や地方創生等に貢献していくとしている。

NECは社会ソリューション事業に注力しており、同社の強みである最先端技術やネットワーク構築の実績・知見を活用し、今後も様々な事業者の5Gネットワーク構築に貢献することで、グローバルな事業展開を加速していくとしている。

※冒頭の画像 左から、タレック・アミン氏(楽天モバイル 代表取締役副社長兼CTO)、平井康文氏(楽天モバイル 取締役副会長)、山田善久氏(楽天モバイル 代表取締役社長)、森田隆之氏(NEC代表取締役 執行役員副社長 兼 CFO)、河村厚男氏(NEC 執行役員常務)


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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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