目的地まで自律移動ロボットがご案内「Libra」都産技研がJETの安全性36項目の試験に合格
東京都立産業技術研究センター(以下、都産技研)は、施設案内サービスなどに活用できる自律移動案内ロボット「Libra」が第三者機関である電気安全環境研究所(JET)によって適合性評価が実施され、ISO 13482/JIS B 8446-1に適合していることが証明されたことを発表した。
都産技研によると、公設試験研究機関として安全性が証明された自律移動案内ロボットを開発したのは都産技研が初めて。(上の画像はLibraと3歳児ダミーを用いた衝突安全性試験)
施設内で安全に稼働できるロボットを研究開発
都産技研では、大都市のインバウンド増加とサービス業の人手不足に技術面で対応するため、施設内で安全に稼働できる自律移動案内ロボットの研究開発を行ってきた。Libraは来訪者と対話し、施設内の情報を提供したり、目的地まで先導して案内することができる。
Libraの安全に関する仕様の一例として、ロボットの重量と潜在的最大速度がJIS B 8446-1で規定されている本質的に安全な運動エネルギーの目安「93J(ジュール)以下」となるように設計。また、外装の形状には丸みをもたせ、その素材には難燃性と強度に優れたFRPを使用している
規格の要求事項を製品が満たしているかどうかを実機試験や文書の精査によって確認する行為を適合性評価という。適合性評価が客観的であるためには、第三者機関に評価を委ねる必要がある。
JETはISO 13482/JIS B 8446-1の適合性評価を実施し、リスクアセスメントの精査からロボットの実機試験までを行った。Libraは衝突安全性試験、挟圧安全性試験、回路の短絡や開放が生じたときのシステムの挙動を確認する故障挿入試験など、36項目の実機試験に全て合格。2020年2月27日付でJETより適合判定の評価証明書を取得した。
今回の成果は、サービスロボットの社会実装促進を目的とした都産技研の「ロボット産業活性化事業」の一環。技術の利用を希望の企業に対しては、ライセンス契約を結んだ上で開発・製造文書など全ての技術情報を提供する。また、講習会を通じてLibraをベースにしたサービスロボットの製品化を支援するとしている。
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。