Googleの開発者向けブログ「Google Developers」で、Googleが開発しオープンソースで公開している機械学習を使ったAI関連技術のソフトウェアライブラリ「TensorFlow」の事例として株式会社アールティの開発した「Foodly」が取り上げられた。
ばら積みの状態から、一つ一つを認識できる「Foodly」
「Foodly」は、お弁当を作る工場のラインなどで、スタッフと協働して業務するロボット。弁当のおかずをAI技術わ使って画像認識、ロボットがピックアップしてお弁当に盛りつける。ロボットは小柄な成人ぐらいのサイズで、弁当工場のベルトコンベアのラインにおいて人と隣り合わせて作業することができる。
このシステムで最も難しいことは山積み(バラ積み)された唐揚げ等の画像から判別し、ひとつの唐揚げを識別してピックアップして盛り付けること。いわゆる「セグメンテーション」と呼ばれる分野だ。Googleがオープンソースで公開している機械学習用のソフトウェアライブラリ「TensorFlow」、ディープラーニングで機械学習することによって食材と個々の位置を識別する。
「Google Developers」では、次のようにも解説している。
詳細は「Google Developers」の「TensorFlow 事例: から揚げを認識して弁当箱に入れる Foodly」を参照。
初代モデル「NEKONOTE」からはじまった
Foodlyの前身である「NEKONOTE」(ネコノテ)は、アーム1本と上部に据え付けたカメラから構成される産業用ロボットのような形で、カメラ用のフレームを合わせても人一人分におさまるサイズ。NEKONOTEは2016年6月の「TensorFlow 勉強会」で発表され、ドイツの CEBIT 2017にも出展された。
NEKONOTEへの反応は「現場で使うには片手だと不気味だ」という意見や、「食材の上にカメラを配置すると異物混入の可能性がある」という衛生面の意見があったという。また、カメラと腕の位置関係から、自分の腕が視界の邪魔になるという問題もあった。
こうした経緯から、人型が理にかなっていると判断し、現在のFoodlyの型になった。なおNEKONOTEは、ばら積みに対応しておらず、から揚げが単独で置かれた場所を認識して皿に盛りつけるというものだった。
当該ブログ記事では、初期の開発から、AIが学習していくステップなども詳しく解説している。
「Google Developers」の「TensorFlow 事例: から揚げを認識して弁当箱に入れる Foodly」を参照。
今では、トマトのように柔らかい食材を掴むこともできる。潰さないよう力を加減しなければならないという別の課題もあるが、この問題に対応するため、Foodlyは握力を制御する機能を搭載している。
引用元 TensorFlow 事例: から揚げを認識して弁当箱に入れる Foodly