株式会社Agoop(アグープ)は、主要な駅や観光地などの「人数」や「人の流れ」を解析した「新型コロナウイルス拡散における人流変化の解析」を、全国49カ所を対象に無償公開してきた。更に、緊急事態宣言の全国への拡大を受け、4月28日から無償公開エリアを100カ所へ順次拡大する。
同社の流動人口データはスマホのGPSとアプリを集計して推計する方法(詳細は後述)。
これは、全国の地方自治体や報道機関などで、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策の効果検証に向けた、データ活用を目的とするもの。
「新型コロナウイルス拡散における人流変化の解析」は、Agoopが保有するメッシュ型流動人口データを集計して、前日までの主要な駅や観光地などのエリアにおける1時間ごとの人流推移を表したグラフ。2020年1月1日から公開前日までの人の流れの変化を把握することができる。
また、従来のシステム導入など、操作が難しいツールを使用する必要はなく、簡単に、すぐに人流変化の推移グラフをPDFファイルで閲覧できる点が特徴。
自粛要請の効果が大きい都市部
厳選したエリアの日次推移表を確認できる。青が平日、オレンジが休日のエリア内人口(データ提供:株式会社Agoop)。
渋谷では平日・休日とともに人口が激減している様子がわかる。特に平日が減少しているのはテレワークや在宅勤務が実践されている効果と予想できる。(4月27日までの集計:以下同じ)
鉄道の乗降者数では日本一の新宿駅周辺も激減。
一方、埼玉県の川口周辺は渋谷や新宿と比較すると減の比率が少ない。
大阪駅周辺の推移。
なんば周辺は休日の方が人手が多かったが、自粛要請後は激減している。
上記以外の地域、札幌、仙台、大宮、横浜、博多など、無償公開のグラフは下記のURLで提供されている。
https://corporate-web.agoop.net/pdf/covid-19/agoop_analysis_coronavirus.pdf
2種類の流動人口データを生成 全国2万カ所の解析準備が完了
Agoopは、ソフトバンク株式会社の子会社で、位置情報を活用したビッグデータ事業を手掛けている。集計方法の詳細は下記のとおり(同社のホームページより引用)。
Agoopのスマートフォン向けアプリケーションのユーザーのうち、パーミッションを得たユーザーから、GPS位置情報を国内外で取得しています。GPSデータを「動く点」として細やかに把握でき、人の流れとその傾向をつかめる「ポイント型流動人口データ」と、アプリユーザーを日本の総人口規模に換算して、その推移を時間帯別につかむことができる「メッシュ型流動人口データ」の2種類を提供しております。商業施設のエリアマーケティング、地方自治体の経済・観光政策や防災対策など、様々な分野で活用できるデータです。
全国2万カ所の解析準備が完了し、無償公開エリアを全国に拡大することにより、前日までの時間帯別の外出人口などが新型コロナウイルス感染症拡大防止に係る対応で、どのように変化したかを簡単に把握することができる、としている。
無償公開エリアについては、要望を含めて同社内で調査・検討を行い、順次追加していく予定だという。
なお、グラフの元データを入手することもできる。希望する場合は、下記のフォームから問い合わせる。CSVデータで提供される予定。
https://www.agoop.co.jp/contact_analysis_coronavirus/
任意のエリア・地点についても対応
また、「新型コロナウイルス拡散における人流変化の解析」に掲載されていない任意のエリア・地点については、地方自治体・公共機関を対象に、人の流れを自動的にグラフで可視化する分析ツール「Papilio」(パピリオ)の無償トライアルプランも提供を開始する。
・分析可能エリア: 全国の市区町村、駅、観光地、商業施設など(約2万カ所)
・分析可能期間: 2020年1月1日~前日まで(前日のデータは日次連携で更新)
・機能: グラフによる任意のエリア・地点の人流変化の時系列表示、流入元エリアの区分表示
・利用例: 全国の駅・観光地・商業施設・公園などの人流変化の調査、消費者動向の調査など
・対象: 地方自治体、公共機関
・料金: 無償
・提供開始日: 2020年5月11日(月)
申し込みを希望する場合は、下記のフォームから問い合わせる。
(5月11日から順次対応予定)
https://www.agoop.co.jp/contact/