2020年4月、NPRとEdison Researchがアメリカでのスマートスピーカー利用調査を行い、「The Smart Audio Report, Spring 2020」として発表した。今回はこのレポートの中から一部のデータを紹介したい。
米国スマートスピーカーが日本上陸!どんなふうに使われてるの?最新調査結果を見てみよう。
【Edison Research / NPR調査】2017年アメリカのスマートスピーカー利用調査
キャズムを超え「所有率18%」に アメリカのスマートスピーカー最新データ
スマートスピーカーは1億1,850万台市場へ 成人の21%の5,300万人が所有、過半数が複数台所有し「ほぼ毎日利用」米国最新調査
米国スマートスピーカー所有率
アメリカ成人の24%、6,000万人がスマートスピーカーを所有。
2019年の21%、5,3000万人から増加。
所有するスマートスピーカーの種類
Amazon Alexa搭載が78%、Google Assistant搭載が41%。米国では先行していたAmazon Echoが強い状況が続いている。
所有するスマートスピーカーの台数
2019年平均1.9台から2020年では2.1台ヘ増加した。
現在29%が3台以上所有しており、複数台所有が過半数を超えた。
スマートスピーカーの使用頻度
所有した最初の月に比べて増加したのは43%、減少したのは17%だった。
スマートスピーカー所有者のスマートフォンでの音声アシスタント利用
ほぼ毎日〜1日に数回との回答は41%となった。
2019年に比べて2020年ではスマートフォンでの音声アシスタント利用も増えている結果となった。
スマートスピーカー所有者は、オーディオをどのように聴いているか?
2019年に比べて2020年ではスマートフォンの比率が下がり、スマートスピーカーで聴くユーザーが増加した。
音声操作のパーソナルアシスタントを使用しているか?
63%がなんらかの音声操作のアシスタントを利用していると回答した。
デバイス別ではスマートフォンが51%とトップ。
音声アシスタントの利用歴は?
1年以上3年未満が39%でトップだった。
5年以上という人も8%いることがわかる。
音声アシスタントの利用頻度は?
1日に数回が25%、1日に少なくとも1回が27%。
毎日使う人が過半数を超えた。
音声アシスタントの感想
生活を楽にしてくれる 68%、音声アシスタントの技術は改善している 65%、音声アシスタントない生活には戻りたくない 41%となり、便利さが評価されている結果となった。
スマートスピーカー非所有者が知っているデバイス
Amazon Echoが59%でトップ。ついでGoogle Home 48%、Facebook Portal 31%、Apple HomePod 25%と続いた。
日本では発売されていないFacebook PortalがApple HomePodよりも知名度が高いのが意外だ。
スマートスピーカー非所有者が所有しない理由
常時マイクONなのが気になる 66%、ハッキングのリスク 65%、スマートスピーカーメーカーを信用していない 58%、政府がプライベートな会話を傍受する懸念 46%と続いた。
プライバシーとセキュリティに関してネガティブな印象があり購入されない形になっている。
スマートスピーカー非所有者の6ヶ月以内でのスマートスピーカー購入意向
非所有者全体では34%が購入意向がある。中でも音声アシスタントを他のデバイスで使っている人は52%が購入意向がある。
引き続き所有者は増加傾向になることがわかる。
スマートスピーカー所有者の新しいスキルやアクションを見つける方法は?
試行錯誤 38%、友人や家族からの推薦 35%、スマートスピーカーブランドからのメール 25%と続いた。
まさかの試行錯誤がトップで、まだ新しいスキル・アクションを見つける方法がスマートフォンのように確立されていないことが分かる結果だ。
スマートスピーカー所有者 vs. スマートフォンの音声ユーザーのリクエストの違い
スマートスピーカー所有者は音楽再生のリクエストが85%と多いが、スマートフォンの音声ユーザーは51%と差がある。
他にもスマートフォンでは電話をかけるが、スマートスピーカーではあまりかけないといった、デバイスの特性に応じて使い方が違っていることがわかる。
ディスプレイ搭載のスマートスピーカーの所有率
画面なしのスマートスピーカーのみ所有 63%、画面ありのスマートスピーカーを所有が37%。うち7%は画面ありのみを所有。
スマートディスプレイと呼ぶ画面付きのデバイスが増加傾向にあることがわかる。
スマートスピーカーでニュースを聞いいたことがある?
2019年の55%から2020年では62%へ増加した。
スマートスピーカーでのニュース聴取時間
1週間でニュースを聞く時間は、3時間以上が32%、1〜3時間が43%と2019年に比べて増加した。
スマートスピーカーのリクエストトップ10
音楽再生 85%、天気 74%、一般的な質問 72%、タイマー/アラーム 65%と続いた。
ピンクのグラフは新型コロナウイルスの影響後のリクエスト。ニュースを聞くが伸びていることがわかる。
新型コロナウイルス感染症の影響でニュースを聞く回数が伸びた?
新型コロナウイルスの影響で35%が以前よりスマートスピーカーを使ってニュースや情報を聞くことが多くなったと回答した。
年齢別で見ると18〜34歳では50%がよりニュースを聞くようになったと回答した。自宅での時間が伸びたことで、スマートスピーカーとの接点が広がったと考えられるだろう。
Source:National Public Media / The Smart Audio Report: Spring 2020
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中橋 義博1970年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学時代、月刊ASCII編集部でテクニカルライターとして働く。大学卒業後、国内生命保険会社本社において約6年間、保険支払業務システムの企画を担当。その後、ヤフー株式会社で約3年間、PCの検索サービス、モバイルディレクトリ検索サービスの立ち上げに携わる。同社退社後、オーバーチュア株式会社にてサービス立ち上げ前から1年半、サーチリスティングのエディトリアル、コンテントマッチ業務を担当する。2004年に世界初のモバイルリスティングを開始したサーチテリア株式会社を創業、同社代表取締役社長に就任。2011年にサーチテリア株式会社をGMOアドパートナーズ株式会社へ売却。GMOサーチテリア株式会社代表取締役社長、GMOモバイル株式会社取締役を歴任。2014年ロボットスタート株式会社を設立し、現在同社代表取締役社長。著書にダイヤモンド社「モバイルSEM―ケータイ・ビジネスの最先端マーケティング手法」がある。