【速報】QBITが「新型コロナ対策ソリューション」を続々発表 自動搬送/除染/消毒/調理/配膳ロボットで感染リスク低減と省人化

ロボティクスサービスプロバイダーのQBIT Robotics (キュービット)は、新型コロナウイルス対策を視野に入れた、複数のICTソリューションを発表した。今回発表したのは「自動搬送ロボット」「自動走行・紫外線照射型ウイルス除染ロボット」「自動走行・消毒液噴霧ロボット」「調理ロボット」「アームロボット・搬送ロボット連携ソリューション」など。5月25日(月)より順次発売していく。

自動走行・消毒液噴霧ロボット(6月1日販売開始予定)

最先端の画像処理・IoT・ロボット技術などを用いて、職場・施設における安心安全な環境整備と生産性向上を同時に実現させるこれらの製品やサービスは「コロナ対策ソリューション」と呼称する。このソリューションのうち、既に「AIサーマルカメラ」は先日発表済み。

新型コロナ対策のため、オフィス・商業施設・公共機関・医療施設などで、感染を予防する対策に対するニーズが急上昇している。多くの職場や施設では「安心安全な環境を確保したいが、人手と費用は極力抑えたい、生産性も落としたくない、生産性はより向上させたい」という複雑な課題に対するソリューションだとしている。

自動搬送ロボットを配膳ロボットとして活用した例

QBITでは、これまでの数多くのロボット活用サービス開発や導入支援の経験を活かし、センサー・IoT技術、画像処理技術、ロボットによる非接触・省人化ノウハウを用いて、本ソリューションを展開する。


室内自動走行ソリューション



自動搬送ロボット (5月25日販売開始)

3つのトレイを利用して無人で物資を運搬する。従来の搬送ロボットとは異なり、床面のガイドテープやマーカーの埋め込みなど面倒な施工は不要。位置マーカーを天井に貼るだけの簡単な施工で、搬送ルートの途中に、人がいたり障害物があっても自動で回避して移動を継続する。
1回の搬送で最大3箇所に立ち寄る物資搬送が可能。元の場所へは自動的に戻ることができる。人と人との直接的な接触を避けた非接触搬送が実現できて、感染リスクの低減と省人化を同時に行なえる。

本体サイズは横500×奥行500×高さ1200mm、総重量:60㎏、移動速度1m/秒。タッチパネル指示により一度の走行で3箇所を自動巡回可能(到達地位置精度cm以下)

同社は「海外では、病院内の感染者ゾーン内で医療従事者の感染リスクを低減させるために、人の代わりに食料や薬や書類の搬送に利用され、感染者対応病院を中心に約300箇所へ導入されています。医療・介護現場だけでなく、レストランでの料理の配膳、通常オフィスでの飲料提供、書類回覧、事務用品配布などでも活用できます」とコメントしている。

医療機関では中国280箇所でコロナ対策として活用された

配膳ロボットとしても活用できる


【QBITの自動搬送ロボットの特徴】
・床面のガイドテープやマーカーの埋め込みなど面倒な施工は不要。
 位置マーカーを天井に貼るだけ。
・搬送ルートに、人がいたり障害物があっても自動回避。
・1回の搬送で最大3箇所に自動搬送可、自動で戻ってくる。
・非接触(人と人との直接接触がない)搬送が可能。
・感染リスクの低減と省人化を同時に実現。



自動走行・紫外線照射型ウイルス除染ロボット(6月1日販売開始予定)

自動搬送ロボットのトレイの代わりに、「紫外線ランプと消毒スプレー」のタンク及び噴霧器を搭載した自動走行可能なウイルス除染ロボット。


1部屋15分程度の紫外線照射でウイルスのDNAを破壊し不活性化する。15リットルの消毒スプレータンクを載せ、床に付着したウイルスを消毒可能。6時間の充電で8時間以上、指定された場所を自動巡回する。人とロボットによるダブル除染や、人手による除染の拭き残しをロボットがカバーするなど、除染の徹底化を実践できる、としている。
このシステムは主に医療機関での利用を想定しており、価格は従来型の同種製品の1/3程度と抑えた。



自動走行・消毒液噴霧ロボット(6月1日販売開始予定)

自動搬送ロボットのトレイの代わりに、「消毒スプレー」のタンク及び噴霧器を搭載した自動走行可能な消毒液噴霧ロボット。主に、オフィス・商業施設・公共機関などでの利用を想定している。



今後販売予定のソリューション


密集度・換気状態・手洗い励行度確認システム(販売予定)

画像解析とIoT技術を用い、所定場所の状況と、手洗い実施の有無などの遠隔監視を実現。現場にはカメラまたは各種検知センサーなどを設置するだけで、密集度や換気状態を把握したり、手洗い励行度合い(個人別の手順や手洗い時間など)を把握できる。基準値と異なる場合にはアラート音を発したり、アラート通知送信も可能、監視員は遠隔地から感染リスクなく、安全に現場状況を確認でき、感染リスク低減と省人化による環境構築を可能にする。




非接触・省人化ソリューション



感染リスク低減化 調理ロボット (5月25日販売開始)

QBITはこれまで、カフェロボットやロボット居酒屋など、ロボットによる無人化調理システムを開発・運用してきた。これらのロボットシステムは人が調理を行うのではなく、ロボットが調理を行うため、従来システムでも感染リスクを低減することができると考えられる。しかし、今回オーダー箇所と飲食物の提供箇所の「非接触化」をさらに強化。タッチパネルによるオーダーの代わりに、スマートスピーカーやコミュニケーションロボットを経由した音声などによる非接触な方法で、来店客がオーダーできるようにした。また、提供箇所では、複数の人が同じ部分を触らない工夫も施す。


アームロボット・搬送ロボット連携ソリューション (5月25日販売開始)

感染者が入院している病院や療養施設で、自動搬送ロボットを使い食料や薬を搬送させる場合、現在は医療従事者の方が防護服を来て食料や薬を搬送ロボットへ載せ、食後の食器や服薬後のゴミを搬送ロボットから回収している。もし、アームロボットが医療従事者に変わり、荷物の積み込みと廃棄物の回収を行うことができれば、医療従事者の方の感染リスクをさらに低減できる。


QBITは独自開発のロボットサービス簡易記述言語をバージョンアップし、アームロボットと搬送ロボットが容易に連携作業できるよう機能拡張をしたという。また、この簡易記述言語はアームロボットや搬送ロボットのメーカーや機種に依存せず、様々なアームロボットと搬送ロボットの組合せで利用することも想定している。
利用シーンは医療機関に限らず、例えば、レストランで調理から配膳までをロボットのみで対応したり、オフィスビルで事務用品や書類などを自動的に配布することも可能だ。


コロナ対策システム コンサルティング

QBITは、外食業やサービス業におけるロボットサービスに関する豊富な実装経験と、センサー・IoT技術、画像処理技術、ロボットによる非接触・省人化ノウハウを活かして、「複数の省人化・自動化システムを、感染リスクを最小限にし構築するにはどのようにすればよいか、お客さまのシステム構成とどのように連携・接続すればよいか」について、要件定義/仕様化の段階から運用フェーズの段階まで、コンサルティングするサービスも展開する。
また、次の日程でオンラインセミナーを実施する。


【コロナ対策ソリューション オンラインセミナー】
新型コロナウイルスを機に、安心安全な「新しい環境」整備が求められています。そこでQBITでは「これからの職場や施設の環境づくり」をテーマに、代表取締役社長&CEO中野がオンラインセミナーを行います。

日時:
第1回 2020年5月29日(金)11:00~12:00
第2回 2020年5月29日(金)15:00~16:00
第3回 2020年6月 2日(火)14:00~15:00

形式:Zoomによるセミナー(各セミナーとも先着20名様まで)
費用:無料
参加方法:WEB申込 https://www.qbit-robotics.jp/seminar

【QBITコロナ対策ソリューション】

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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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