「ロボット検定試験」6/28に開催 LEGOマインドストームEV3とWeDoではかるロボット技術力

新型コロナ感染症の影響で延期されていた「ロボット検定試験」が2020年6月28日に開催される。当初は2020年3月20日と4月19日に開催される予定だった。主催は一般社団法人ロボット技術検定機構。

試験はLEGO MINDSTORM EV3を用いたもの(対象は小学生、中学生、高校生以上)とLEGO Education WeDo 2.0を用いたもの(小学校低学年向け)の2種類。EV3は5段階、WeDoは3段階のクラスの試験が開催され、ロボットにまつわるメカ、エレキ、人工知能プログラミングのスキルを筆記、実技の両面からはかることができる。
今年度からプログラミング教育必修化が始まったことに加え、新型コロナウイルスによるオンライン授業化などで、モノを使った「実制作」のスキルにどのように影響が出るのかなど、様々な面から注目度は高い試験になりそうだ。


ロボット検定とは

ロボットの製作には、日本が長年培ってきた「ものづくりの技術」と、最先端の「IT開発技術」の両方が要求される。具体的には、メカ、エレキ、プログラミングなど、多岐にわたる分野の豊富な知識と卓越した技量が必要だ。しかし、ロボット技術者になるために必要な知識や技術を独力で学んでいくことは非常にハードルがたかい。
そこで、ロボット検定では「このような技術、知識を修めればこのレベルのロボットを作ることができる」という指針を示すことで学習のモチベーションや好奇心をたかめ、学習到達度を客観的に示す基準をつくることを目指している。




重要視するのは「進度のバランス」

その際に重要視しているのは「実技試験」だ。ロボットを製作するためには知識は当然のこと、それを使いこなすための技量が必要となる。そこで、ロボット検定ではペーパーテストだけではなく、「実技」を重視しているのだという。


各分野の知識やロボット製作にまつわる技量を修めることは非常に地味で地道な努力の連続だ。それだけに形ある「ロボット」が動いたときの感動はひとしおのものとなる。しかし、技術や知識を身につける際に「進度」のばらつきがあると、努力や費やした時間に見合わないような出来のロボットしか作ることができない。そのため、ロボット検定では学習の進度に合わせて各クラスに必要な「目標となるロボット」と「各分野の知識」「技量」を示しているのだろう。

これを示すことで「あのロボットを作りたい」という気持ちと「そのために身につけるべきこと」を結びつけて学習を進めていくことができる。

「頭」と「腕」、各分野の知識と技量のバランスが取れた技術者を増やしていくために、また、ロボット製作を志す人たちがモチベーションを高く保ち続けるためにも、ロボット技術検定には今後も盛り上がっていって欲しい。

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梅田 正人

大手電機メーカーで生産技術系エンジニアとして勤務後、メディアアーティストのもとでアシスタントワークを続け、プロダクトデザイナーとして独立。その後、アビダルマ株式会社にてデザイナー、コミュニティマネージャー、コンサルタントとして勤務。 ソフトバンクロボティクスでのPepper事業立ち上げ時からコミュニティマネジメント業務のサポートに携わる。今後は活動の範囲をIoT分野にも広げていくにあたりロボットスタートの業務にも合流する。

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